Wednesday, May 6, 2015

BXL hardcore scene


ARKANGEL Japan tour 2015の日程が発表された。
前回2010年に来日していたベースのMehdi Birouk Thepegnierは、すでに脱退したようで、L'ESPRIT DU CLANのClemが新たに加入して来日する。
フランスのバンドなので、今回は触れないが、もしこのバンドを知らなければぜひググってほしい。







80年代後期に活動していたMENTAL DISTURBANCEのKirby Michelと、SIXTY NINEのDanny Mouethwilらによって、1991年に結成されたDEVIATE(a.k.a DV8)。彼らがベルギー初のhardcoreと呼ばれたバンドとされている。thrash metalあがりのメンバーを含んでいるだけあって、crossover的要素が強い気もするが、これはstomp coreだ。

リリース元のI Scream Recordsは、ドラムのLaurens Kustersが立ち上げたレーベルで、日本ではHowling Bullが配給、DV8自体Beast Feast Festival 2001で来日もしているので、馴染み深いと思う。
個々の活動も活発で、ボーカルのDanny MはANGEL CREW、Kirbyについては後々触れることにする。


DEVIATE - "darkened world"



DV8が表舞台で活躍する一方で、1993年にデモ"a reaction to the negative"、1995年にStoemp Recordsから7epを出していたDEF SOUL、そしてHATEFUL DISTRICTらが活動を始め、Brussels hardcore sceneが形成し始める。この辺りは、NYHCの影響が大きかったといえるが、中でもHDはNEGLECTを崇拝していたようだ。

また、彼らと仲の良かったOUT FOR BLOODは、UNDERGROUND SOCIETYやSTORMCOREのFrench hardcoreをバックボーンとし、ボーカルのAlainが運営していたRPP(Released Power Productions)は、国内外問わず良質な音源をリリースしていた。

その中の一作品、WISE UPの7ep"on the brink of ruin"は、emotional new schoolの中にも6弦開放を絡ませる展開に、fury edgeの原形さえ感じることができるマテニアル。
まだARKANGEL結成前のBaldur Vilmundarsonがゲストボーカルで参加していて、すでに彼のスポークンスタイルを確立している点も聴きどころ。

 
WISE UP - "one eye guru"


OUT FOR BLOOD - "out for blood"





そして1997年、BaldurとNumaはWISE UPのDavid Vande Zande、OFBのxVincxとARKANGELを結成する。
RPPから"prayers upon deaf ears"がリリースされると、彼らの名が知れ渡るまでの時間はそう費やさなかった。
開放を絡めた単音リフ構成(既存だとPURIFICATIONぐらいで、バンド名も彼らのデモタイトルから由来していると思われる)、Baldurの独特な唱方といい、新たなnew schoolサブジャンルを生み、今日まで第一線で活動してきた。
当時は、この手をmilitant new schoolと呼んでいたが、straight edge同様ライフスタイルを伴う言い方で、彼らのブレイクエッジとともにedge metal、fury edgeという言葉が使われるようになる。それほどの存在感、影響力を持っているのは、ここ日本でも理解することは容易だろう。

しかし、Goodlife Recordingsから"dead man walking"リリースすると、作曲のすべてを担っていたNumaが脱退してしまう。
誰もが存続を絶望視する中、加入したのがDV8、LENGTH OF TIMEのKirbyだった。彼曰く、加入は自然な流れというか必然的だったそうだ。


ARKANGEL - "day of apocalypse"


ARKANGEL - "within the walls of babylon"





LOTの歴史は1997年まで遡る。当時DV8で活動していたKirby、OFBのVincent、ボーカルがBACKSTABBERSのギターYves RossというメンツでLENGTH OF TIMEは結成される。

Goodlife Recordingsからリリースしている"approach to the new world"は、元々デモとしての音源で再録されたものだが、当初からARKANGEL、KICKBACKにも通じるedge metalにevil感を足したオリジナルnew schoolサウンドは、間違いなくBelgium hardcore scene最盛期の中心にいた存在。
っていうのも、ALL OUT WARやMORNING AGAINのヨーロッパツアーサポートを務めたことでも十分説明がつく。

そもそも当初は、サイドプロジェクトとして始めたバンドだが、最新音源は2013年、Gang Style Recordsへ移籍後の"let the world with the sun go down"で、活動休止期間があるにしろ、だいぶ長い活動歴になる。
ちなみに、BLOODSTAINEDとのスプリットは、このEPに収録されていた曲。


BACKSTABBERS - "already dead"


LENGTH OF TIME - "thought of the enslaved"



また、Kirbyらが立ち上げたPrivate Hell Records(GSRのサブレーベル)から、ARKANGELの"hope you die by overdose"をリリースしているが、もう一つ興味深いバンドがある。

BROKEN CLOWNという、ボーカルにex BACKSTABBERSのMoulesを擁し、それ以外がARKANGELというメンツのプロジェクトバンド。
完全に玄人受け間違いないTYPE O NEGATIVE、LIFE OF AGONYライク。



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