Monday, December 25, 2023

Upstate New York hardcore - Ⅴ (Troy area)





Mike Maney、Dan WalshそしてBob Rileyが在籍したCRANIAL ABUSEを前身とし、STIGMATAが1989年から活動を始めた。デモ、7ep"strength in hate"に続き、1st"the heart grows harder"がドイツのSteelbreaker Recordsからリリースとなる。
CRO-MAGSやLEEWAY、SHEER TERRORなどをバックボーンにしたcrossover系サウンドは、後のTroycoreという新たな枠を形成していった。

1992年、セカンドギターにJason Bourdeauが加入、翌年2nd"the calling of the just"をリリースするとメンバーの再編成が行われる。ドラムのPat O'Reilly脱退に伴い、BURNING HUMANのJason Bittnerが加入し、さらにJason Bourdeauの後任に同じくJason Sunkesが加わった。そして1995年、MERAUDERとのsplit 7ep "brotherhood"を挟み、Trainwreck Recordsから3rd"hymns for an unknown god"をリリース。 これはCRO-MAGSのHarley Flanaganプロデュースで話題にもなり、後にToo Damn Hype Recordsが再発したことでよく知られている。
もはや不動の地位を確立した感のあった彼らだが、リードギターのMike Maneyが脱退。さらにベースのDan Walshも脱退となりSUBSTANCEのBuddy Armstrongが後任で加入した。そして4人編成で3曲のレコーディングを行い、V/A "east coast assault 2 - the second coming"に参加。
その後、脱退となったJason Bittnerは、Metal Blade Records所属のCRISISに加入。後任にはPete Vumbaccoが就くが、1999年の編集盤"pain has no boundaries"に収録されたライブトラックでは、Jason Bittnerが復帰して叩いている。またオリジナルメンバーのMike Maneyも戻り、4th"do unto others..."をリリース。2000年夏にはEuropean Tourを行なった。しかし以降の情報はぱったりと無くなり、活動休止状態に陥り解散したと思われる。その一因はBob RileyがDYING BREEDのMike Gragnano、WAR-TIME MANNERのBob Agarsらと組んだMURDERER'S ROWの活動に傾倒したからだろうか。またJason BittnerのSHADOWS FALL加入も大きい。

再び活動の確認できるのが2013年で、7ep"there is no mercy here"リリース後、West Coast Tour 2013を行なっている。その後もBreast Fest 2014、Black N' Blue Bowl、This Is HardcoreやIeper Hardcore Fest 2014、さらにLong Islandで開催されたVengeance Festへ出演していった。
そして2015年のHeart Fest 9後、5th"conditioned to murder"がBuddy Armstrongの立ち上げたUnbeaten Recordsからリリースとなる。その後、ドラムにONE KING DOWNやANOTHER VICTIM、THE PROMISEと渡り歩いたDerrick Van Wieが加入したようだが2016年に解散となった。


STIGMATA - "July 25,2014"






後にSTIGMATAへ加入するJason SunkesとJason Bittnerが組んでいたBURNING HUMANは、1990年の結成で意外と長いキャリアを持つプロジェクト。SUFFOCATIONやIMMOLATIONを引き合いに出され、mid 90's brutal death metalバンドとして認知されている。
1995年のデモ"death is mercy"後、V/A "we the people"、V/A "capital punishment"といった名コンピに参加。ボーカルのJonah Radaelliは、V/A "united we stand... divided we fall"に収録されたDISSENTにも籍を置いた。また2007年にライブメンバーとして加入となったTHE FINAL SLEEPのMike Stackは、POLITICS OF CONTRABANDやDYING BREED、WITHSTANDなどの経歴を持つ。

各々掛け持ちしながらも、STIGMATAやMURDERER'S ROWらと共演したThe Black Friday Beatdownを終えると、1st"resurrection through fire"のリリースへと至った。エンジニアはDEATH、OBITUARYやDISINCARNATEなどに在籍したJames Murphyが務め、彼のSafeHouse Productionでミックスが行われた。
その後の活動としてはORDER OF ENNEADらとのThe End Of Summer Slaughter、Shameless Productions企画、そしてOpus' B-Day Bash 2011に出演している。

また、ベースのJay VanDervoortがMike Stackの在籍するTHE FINAL SLEEPに加入。土地柄には珍しくKATATONIAやOPETHライクのSwedish death metal/black metalで、Death Farm Recordsからの"vessels of grief"も記憶に新しい。


BURNING HUMAN - "tormented mind"






ギターのNoah Carpenterらによって、1992年に始動したbrutal death metalバンドSKINLESS。"demo 1994"後、後任ボーカルにSherwood Webberが就き、2ndデモにあたる"swollen heaps"をリリースする。
1997年、ベースにJoe Keyser、ドラムにDISCIPLES OF BERKOWITZのBob Beaulac加入により以降の体制が形成された。そして翌年1st"progression towards evil"がリリースされ、その存在はdeath metal界にも浸透し、MORTICIANのChainsaw Tour 1999に帯同、翌2000年春には本国とメキシコをINCANTATIONとまわる大役を果たした。

更なる飛躍を求めた彼らは、Bob Beaulacが運営に関わるStep Up Presentsから新たにRelapse Recordsと契約を交わし、2nd"foreshadowing our demise"後にはBeast Fest 2001で来日公演を行なう。一時ドラムにDEHUMANIZEDのGeorge Torresが加入し7epを出しているが、再びBob Beaulacが復帰、初開催となるMaryland Deathfest出演を経て、3rd"from sacrifice to survival"を完成させた。そしてTHE CROWNとのThe Monolith Deathcultと銘打ったツアーを行ない、Extreme The Dojo Ⅷで再来日を果たす。しかしボーカルのSherwood Webberが脱退となる。後任にORIGINへ加入したことでも知られるJason Keyserを擁し、Maryland Deathfest 2006に出演、その後4th"trample the weak, hurdle the dead"をリリースした。またDYING FETUSのEuropean Tour 2007にも帯同している。そして2010年にSherwood Webberが復帰となるが、Maryland Deathfest 2011で解散となってしまった。
それから間もない2013年、解散前のラインナップにINCONTINENCEのギターDave Matthewsを加えて再結成される。復帰作5th"only the ruthless remain"の発売を直前に控え、Maryland Deathfest 2015の出演、そしてリリース後にはHellfest 2015など気が付けばトロイ発とか関係ないレベルにまで達している。

現時点で最新アルバムとなる6th"savagery"は2018年にリリースされ、East Coastでの3公演を行ない、California Deathfestに出演した。また2023年には"swollen heaps"を収録したDEHUMANIZEDとのスプリット、1stのLP盤での再発など需要も根強く、Maryland Deathfest 2024やMilwaukee Metal Fest 2024への出演も決まっている。


SKINLESS - "tampon lollipops"






DYING BREEDは1987年から存在していたようだが、1996年にMike Stackが加入したデモ以降の活動が主だったものになるだろうか。
FURY OF VやMERAUDER、KRUTCHらとのライブをこなし、そのデモがV/A "we the people"に収録され、参加バンドと聖地Bogie'sで開催されたリリースパーティーに出演している。この頃ギターのBoonieは、POLITICS OF CONTRABANDのRalph RennaらとLAST CALLを結成のため脱退となったと思われるが、MADBALLをはじめE-TOWN CONCRETE、INTEGRITYなどと共演していった。

そして曲提供したV/A "capital punishment"のレコ発を経た1998年、V/A "united we stand... divided we fall"に参加し、BLOODWARとのスプリットをリリースする。翌1999年には1st"take my soul... give me grave"へと至り、STIGMATAの"pain has no boundaries"とレコ発を兼ねた企画が、CORROSION OF CONFORMITYをゲストに迎え行われた。その後はGODBELOW、100 DEMONSらと共演しているが2002年に解散となったようだ。
またRick RigneyとDave Gragnanoは、初期メンバーのBoonieとWAR-TIME MANNERのDan Ryanを加え、2007年からDEAD AND DYINGとして活動を始めている。

一方でDYING BREEDの再評価も高まり、A389 Recordingsからデモに続き1stが2023年に再発された。


DYING BREED - "@ Bogies 05-12-1996"



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