Sunday, June 28, 2020

North Carolina hardcore scene - 1





80年代から活動していたstraight edge hardcoreバンドNAKED ANGELS。ボーカルのRob R-Rockは、V/A "voice of the voiceless"にソロで参加したり、New Start Recordsを運営するなど幅広く活動していた人物として知られる。

一方、彼がベーシストとして共にNAKED ANGELSのGavin GlennとJay Smithらで始めたのがLINE DRIVE。この両バンドは同時期に活動していたことから、プロジェクトとして始まったと思われるが、もっとmetallic hardcoreなそのサウンドは、後にDEADWAITやCHOKEHOLD、BURST OF SILENCEと参加した4 wayメンツの中でも劣っていない。

1992年、Winston-SalemのNew Start Recordsから7ep"the few..."をリリース。その直後だと思われるが、ギターのJay Smithが脱退していて後任にOwen Threattが加入した。そして1993年に1124 Recordsから"lead on"がリリースされる。
レコーディングに使用したSleepless Nights Studioは、BATTERYなんかがよく利用していたことでも興味深いが、このスタジオが主催したカバーコンピに錚々たるメンツのなか、LINE DRIVEはCHAIN OF STRENGTHのカバーを提供した。

また活動に於いては、LIFELINEやJay Smithがボーカル/ギターを務めるSHATTERHEDらとライブをしていたのが確認できる。
単独7ep以外に、Inside Front Recordsのhardcore compilation"no exit"をはじめ、"what still holds true"や"number one priority"といったコンピに単独未収録曲を提供しているだけあって、ディスコグラフィーでも出して欲しかった。


LINE DRIVE - "tunnel vision"
 





デモにあたる"fall"を、結成された1994年にInside Front RecordsからリリースしたCATHARSIS。ファンジン業の方が認知度的に高いこのレーベルは、ボーカルのBrian Dingledineが設立し、後のCrimethInc.へと続く経歴を持つ。
サウンドはINTEGRITYやCONFRONTに影響を受けたpolitical hardcoreで、Endless Fight Recordsとの契約に至り、1996年に7ep"self titled"をリリース。レコーディングにはFACE VALUEやPALE CREATIONなど、Cleveland hardcoreバンドからINCANTATIONまでも手掛けるBill Koreckyをエンジニアに抑え、Mars Studiosを選択したのは彼らの目指すべくサウンドと合致していたからだろう。
しかしWAR PRAYERとしても活動していたJimmy Changは、新たなプロジェクト始動に力を入れ、Jonathan Raineと共に脱退した。これがUNDYINGということになる。

一方、CATHARSISは1st"samsara"の製作、GEHENNAとのworld tourを行い、もはや知名度ともに自国にとどまることはなくなった。後にSao PauloのNEWSPEAK、HungaryのNEWBORNとそれぞれのスプリットへと繋がっていくことになる。

1999年、2nd"passion"を引っ提げてのStand Together fest出演、そしてEuropean tourでは、Vort'n VisでLIARやLIFECYCLEらと対バンしているのも興味深い。

オフィシャル上では2002年に解散のままとなっているが、"passion"を含む編集盤"light from a dead star"をリリースし、Ieper hardcore fest含むEuropean tour 2013を行なった。
また、Catalyst RecordsのV/A "open the cages,free your mind"に参加していたREQUIEMは、Brian Dingledineが一時期やっていたバンドでもある。

 
CATHARSIS - "at The Ottobar in Baltimore,MD on 2013-01-18"

 





John Chafin、Paul Hart、Steve Fletcherらによって1994年にDAY OF SUFFERINGが結成された。前身バンドのFALLING DOWNは、Even The Score Recordsから7ep"life before machine"を出していて、後にジャケット違いで再発されたほど後身バンドの功績は大きい。
1993年からわずか1、2年で活動を終えたFALLING DOWNだが、オリジナル盤のレコーディングを1995年に行なっていて時系列的な矛盾が残る。
またJonathan WilliamsとJohn ChafinがやっていたIN EMPTINESSが、1994年にデモ"still life euphoria"を出しているのも気に掛けずにはいられない。

各メンバーがそれぞれの経歴を持ち、新たに動き出したDAY OF SUFFERING。バンド名がMORBID ANGELの曲名に由来し、old school death metal要素の濃いhardcore側からのアプローチをステータス化させた。
後世どれだけのバンドに影響を与えたかは言うまでもないが、UPHEAVALやSLAVEARCはほんの一角に過ぎない。
その唯一の単独音源"the eternal jihad"は、1997年にCatalyst Recordsからリリースされている。レコーディングには、GATEKEEPERやBLOOD RUNS BLACK、SOULSTICEらも利用していたことで知られるSyracuseのPenguin Studiosにて行われ、Steve Feldmanによって手掛けられた。

好評を博す一方で、Rob Townsendの脱退、キーボードのSean Hartが加入と、メンバー再編成をしつつも解散となってしまう。しかし、Lifeforce RecordsがFALLING DOWNの7epを追加収録しリプレスしたり、2009年にはLPで再発されていて需要が衰える様子もない。
またベネフィットコンピ"open the cages,free your mind"に収録されたGORILLA BISCUITSのカバーは、元々FALLING DOWN時代にV/A "sleepless Nights cover compilation vol.1"へ提供したもので、DAY OF SUFFERINGでのライブテイクとなっている。

解散後は、ドラムのPaul HartとギターのRob TownsendがCANAANを結成。SENNACHERIBと改名し2000年にTribunal Recordsと契約、"beyond a wall of fire"をリリースした。CARCASS、AT THE GATESと比喩されるdynamic death metalは、DAY OF SUFFERINGが根底にあるのが一聴してわかる。しかし2曲では物足らず、次作に期待が膨らんだが音沙汰ないまま解散した。


DAY OF SUFFERING - "Breast fest 2012"
 


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Saturday, June 13, 2020

South American hardcore scene - 4 (Concepcion/Talca,Chile)





MARTIRはチリ中南部に位置するConcepcionを拠点に、2008年から2013年まで活動していたvegan straight edgeバンド。
mid 90's Southern California hardcoreに影響を受けていて、vein of UNBROKEN、OUTSPOKENなサウンドといえる。

2009年の"balance natural"がデビュー作で、間もなくベースのDaniel Borquezが始めたABOLICIONとのスプリットを、2010年にReusa Recordsからリリースした。
また各メンバーの活動も活性化し、Felipe RobledoがTEMPEST、Claudio MunozとPablo PlacenciaはBLINDSIDEを結成。いづれも似たり寄ったりなサウンドではあるが、MARTIRを中心とするシーンが構築され、Santiagoを追従する勢いさえ感じた。
それを世に知らしめたのが2011年の"memorial"で、Vegan Records/Heretic Recordsと契約してのリリースとなった。

2012年にはHeretic fest V、Furia hardcore festivalといった企画に出演を果たしたものの、2013年にMARTIRとしての活動を終わらせる決断に至る。そしてClaudio Munoz、Abel CisternaとSergio Inostrozaは、一旦は離脱してしたDaniel Borquezを加え新たにQUIEBREとして活動を始めた。元々Umea hardcore punkからの影響を受けてはいたが、さらに突き詰めることを意図したことなのだろう。QuilicuraのULTIMO RESPIROとも比較できるサウンドといえる。

そして2014年に7ep"self titled"をリリースすると、自国を始めArgentina、Uruguayをツアーで周っているが、その中にはBANEのfinal world tourであるSantiago場所も含まれていた。
しかし2016年にDaniel Borquezが脱退。3 way split(w/ ZAT、CAMPBELL TRIO)はPedro Altamiranoが加入してのリリースとなる。2018年に解散。


MARTIR - "etnocidio"
 





2008年、Talcaにて結成されたNUESTRAS MEMORIAS。唯一の音源"resplandor"は、2011年にReusa Recordsから出したものだが、後にGold Rain Recordsがカセット盤でリプレスしている。

MARTIRはもちろん、よく共演していたSantiagoのバンドと比較しても劣ることのないサウンドクオリティは、STRIFEやMORNING AGAIN、ONE KING DOWN辺りがバックボーンにあったようだ。

Union hardcore fest Ⅱの出演、DAR SANGREとの共演などを経て、2013年にANCHORのツアーサポートを務めた。そして年末の2日間に渡り、Talcaで開催されたFuria hardcore festival 2012への出演を果たしている。
その後も2014年のBvrn fest Ⅵ、Santiago Reborn fest #3、Furia hardcore festival 2014に出演していたことが確認できるが、2015年に解散となってしまった。

徐々に規模を拡大していき、今や海外バンドの招集も行なっているFuria hardcore festivalの常連として、Talcaを代表する地位に上り詰めていただけに残念。


NUESTRAS MEMORIAS - "resplandor"
 





2009年にMARTIRのDaniel Borquezらが結成したABOLICIONは、NUESTRAS MEMORIASと同じTalcaで活動していたバンド。
音源を出す前からSTILL STRONGとの対バンなどを経験し、スプリット(w MARTIR)の製作に取り掛かった。そしてReusa Recordsのファーストリリースとして2010年に世に出し、これを引っ提げてUnion hardcore fest Ⅱへの出演を果たした。
このスプリットに収録されていた3曲は、MIL CARASと共演の反響か、ArgentinaのGold Rain Recordsから単独音源として再びリリースされている。

2012年にはSantiagoで開催されたHeretic fest Vに出演、その後タイトル曲含む2曲のレコーディングに入った。この"memoria"は紙ジャケにCD-Rでのリリースで、DIYレーベルReusa Recordsらしい仕様になっている。

解散は2013年になるが、Furia hardcore festival 2014及び2018でリユニオンライブを行なった。


ABOLICION - "sembrar el camino de la liberación"
 


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