Monday, January 28, 2019

Northern Italy hardcore scene - 4





1996年にForliで結成されたpro-life/vegan straight edgeバンドREPRISALは、メンバーの入れ替わりが多く、通年オリジナルはギターのRiccardo Ricciのみ。それに伴ってか、時期により音の違いがあったのも特徴のひとつ。

草創期にあたる1997年のスプリット(w/ GREED)、1998年の"where heavy gloom dominate"は、SUFFOCATIONやSIX FEET UNDERに影響を受けたというdeath metallic hardcoreな内容になっている。この頃から単音弾きを多用しながらもメタル指数が高く、今なお高く評価されている作品でもある。
しかし1999年、Sure Hand RecordsのV/A "justice for the enslaved"に参加後、ボーカルのAlessandro Massaが脱退。Enrico Sampaoliへボーカルチェンジを経てレコーディングに入るが、1stを出していたVoice Of Life Recordsとは結局折り合いが付かず、Goodlife Recordingsから2nd"boundless human stupidity"がリリースされた。
契約の一因として、Goodlife Recordings主催の1999-2000 New Years Partyに出演した際、オーディエンスの好反応が評価されたようだ。
サウンド面はというと、PRIMAL AGEやDAY OF SUFFERING色が濃くなりfury edgeを推し進めた様には驚く。承知の通り、後にItalian furyの金字塔を打ち立てることになる波紋は、ここ日本にも広がりBloodaxe fest 2001で来日を果たした。この模様はVHS"this world is our playground"に収録されているので、貴重な当時の状況を知ることができる。

そして翌2002年、3rd"mail order knife set"が同レーベルよりリリースとなった。
INTEGRITYのDwid、Mischaと一緒に作りあげたという曲も収録され、全体的にはItalian furyを残しつつ、彼らが好きだというSHOCKWAVEの影響がみえる作品となっている。

その後Enrico Sampaoliの脱退というバンド存続の危機に直面するが、Francesco Ristoriが後任で加入しEuro tour 2002を敢行。この年には再び来日も果たした。さらに2003年に3回目の来日するも同年に解散となる。


REPRISAL - "this world is our playground"
 





1997年から2007年間で活動していたSENTENCE。デモ"another day ends"の後、"demo 1999"を挟みTomcat Recordsから7ep"perfection through disfunction"をリリース。

翌2000年にFilippoが脱退、セカンドギターにEnrico Gasperoniが加入しレコーディングされた1st"dominion on evil"は、いくつかのオファーの中からスペインのDark Sun Recordsを選びリリースされた。これがレーベルカラーをも決定付け、数ヶ月でソールドアウトになったというマスターピース。

そしてヨーロッパツアーを重ね次作の準備に取り掛かり、Goodlife Recordingsから2002年に2nd"war"がリリースされた。前作のItalian furyを深化させ、KICKBACKやALL OUT WARにも匹敵するサウンドプロダクションは好セールスを記録したのは承知の通り。

またAlliance Trax Recordsの招集により来日。これに先がけて彼らとスプリットをリリースしたEXTINGUISH THE FIREが帯同してのJapan tour 2003だった。

帰国後、ドラムがMarco VincenziからMichele Mingantiに変わり、2006年にBurning Season Recordsから"ad vitam rediti"がリリースされる。しかしCATARACT、KERNEL ZEROライクな変貌ぶりはもう別バンドとして捉えた方がいいかもしれない。

ちなみに、同じくかつてDark Sun Recordsに属したENVISIONも同じような変化を遂げている。


SENTENCE - "the shy kiss of destruction"
 





Cesenaを拠点としたAWAKEN DEMONSは2007年、VIOLENT SUTURAのLuca Zattoniとex SENTENCEのAlessandro Pedrelliによるdual vocals編成で結成されたedge moshcoreバンド。

ex REPRISALのドラムRaffaele Torelli、ex SENTENCEのギターEnrico Gasparoniらが生み出すサウンドは良い意味で裏切られる内容だった。
それは1st"from heaven to hell"のリリースとなったSeventh Dagger RecordsのレーベルメイトであるxTYRANTx、xBARCADIAxを彷彿させるサウンドからもUS志向を推察させる。

ところがAlessandro Pedrelliが抜け単独ボーカルとなり、Enrico GasparoniとMassimiliano Paraのギター2人までもが脱退。後任にAndrea Bassettiが加入し4人編成と大幅なラインナップチェンジを経て、2009年に2nd"the mirror"がTrustkill Recordsよりリリースされた。
これにEARTH CRISISのKarl Buechner、THE ACACIA STRAINのVincent Bennetがゲスト参加しているように、USにおける活動で本土でも認知され根付いていったことがわかる。

日本においてもPump Up The Volume Fest. 2011で来日もしていてその注目度の高さがうかがえた。同年にスプリット(w/ PAY NO RESPECT)、翌2012年にはBastardized Recordingsから3rdアルバムをリリース。2014年に解散となるが、Luca Zattoniは再びVIOLENT SUTURAとして動き出している。


AWAKEN DEMONS - "coming to an end"
 


: my collection :
 
 

Saturday, January 19, 2019

Jens Werbrouck - interview


ベースで加入したGOLDEN BULLETから引き続きSKIN CRAWLERで活動する一方、自身のMURDER INTENTIONSやE.B.D.B.、そして新たにSLAVESTATEを結成したJens Werbrouck。バンドに加えレーベル業も営む彼のインタビューを取ることができた。H8000 hardcoreについてはもちろん、H8000 death metal/sludge系バンドの話しにも及ぶ内容。


photo : E.B.D.B.


PR> まずGOLDEN BULLETにベースで加入した時期とその経緯を教えて。
Jens> GOLDEN BULLETと俺がほかでやっていたMURDER INTENTIONSとは以前から一緒にライブする仲だったんだ。GOLDEN BULLETのベースがバンドに費やす時間がなくなって辞めてしまい、ドラムのJanから誘いを受け2011年に加入したよ。彼にはMURDER INTENTIONSのデモで叩いてもらったこともあったし、両バンドとも2004年の同時期ぐらいにスタートしていて、みんな同じエリアに住んでいるからライブでもよく会っていたんだ。
Janは後のSKIN CRAWLERでもドラムを務め、今はLOW LIFEに在籍しているよ。

PR> GOLDEN BULLETとして、何に影響されたとか思想とかあった?
Jens> ARKANGELやLENGTH OF TIME、KICKBACK、ALL OUT WAR、50 CALIBER、DISEMBODIEDなどの90's metal coreに影響を受けていたよ。それから、もっとmelodic black metalやdeath/thrash metalのバンドに影響されるようになったんだ。BOLT THROWR、SEPULTURA、AT THE GATES、KATATONIA、ENTHRONEDなんかのね。もちろんSKIN CRAWLERに改名してからも変わらないよ。

PR> SKIN CRAWLERはまだ活動しているの?
Jens> 2016年に活動休止することにした。可能な限り続けたかったんだけど、一緒にやっていくことに興味がなくなったんだ。ドラムのJanとギターのKennyはLOW LIFEを始め、ボーカルのThomasは昨年DECONSECRATEに加わったよ。もう一人のギターIvoはアコースティックポップのカバーバンドでプレイしている。俺はMURDER INTENTIONS、SLAVESTATEそしてE.B.D.B.で活動しているよ。


SKIN CRAWLER - "suffocated"


PR> GOLDEN BULLETとMURDER INTENTIONSとではだいぶ音の違いがあるけど、普段聴いている音楽を教えて。
Jens> 最初に買ったアルバムはTHE PRODIGYだった。それからMETALLICAやSEPULTURAとかもっと主流バンドのコピーテープを集め始めたんだ。友達の影響もあり、次第に地元のdeath metalやgrindcore、sludge、black metalのライブに行きだしアンダーグランドなメタルにハマっていったよ。CIRCLE OF DEAD CHILDREN、PIG DESTROYER、LEVIATHAN、CRYPTOPSY、EYEHATEGOD、DEFEATED SANITY、AGORAPHOBIC NOSEBLEED、GODFLESH、初期ISISがフェイバリットバンドだね。
でも時々electronic musicやhip-hop、pop、rock musicなんかを聴いて楽しんでいるよ。


MURDER INTENTIONS - "sluggish"


PR> 新しく始めたsludge系のSLAVESTATEについて、結成の経緯と在籍メンバーを教えて。また、何かリリースの予定はある?
Jens> 2018年の初めにMURDER INTENTIONSのドラムAnthony、ACNE AND THE KIDSのボーカルFrederiekらと結成したんだ。彼らとはずっと前から友達だったからね。結成前の数週間前、KortrijkのThe PitsであったSUMAのライブ後に、彼らのような音楽がやりたいと思って始めた。そしてEYEHATEGODやBLIND TO FAITH、GRIME、FISTULA、IRON MONKEY、GODFLESHなんかに近い現在のスタイルを模索しだしたんだ。
まもなくMURDER INTENTIONSのボーカルThomasがベースで加入したよ。作曲は終えていて今年は1stアルバムをレコーディングできればいいかな。

PR> MURDER INTENTIONS、SLAVESTATEやE.B.D.B.もJensが作曲しているの?
Jens> MURDER INTENTIONSの曲はたいてい俺が作っているよ。guitarproでデモを作ってバンドメンバーに送るんだ。それからみんなでまとめるよ。SLAVESTATEとE.B.D.B.に関してはMURDER INTENTIONSと違って、セッションしながら一緒に作ることが多いかな。


E.B.D.B. - "corpsicles/quel bordel"


PR> BRC30 productionsの立ち上げからレーベルのコンセプトなどを教えて。今後のリリース予定はある?
Jens> BRC30は2018年の初めに始めたんだ。他のレーベルの協力もあって多くのアルバムをリリースしたよ。新しいMURDER INTENTIONSのアルバムをレコーディング中にBRC30 productionsの名前に決めた。いいバンドが必ずしも評価されるわけでもないし、そういったバンドをサポートをしたいと思ったんだ。
MURDER INTENTIONSのアルバムを出した後、GROTTOの"circle of magi"とZer0 れい"midihack"を出したよ。
GROTTOは、元SEVENTH CIRCLEのメンバーがいるトリオのstoner/doomバンド。ビニールはDust & Bones Recordsから出ているよ。またZer0 れいはSebastien Desauvageによるexperimental electronic vaporwave musicで、彼はKortrijkでThe Pitsを経営しているんだ。そしてUS/Swedenのbrutal death grindバンドMISCARRIAGEの"homicidal mania trilogy"、それと2018年の4月に録ったSLAVESTATEのデモだね。
次にアメリカのDOWNWARD SPIRAL。Zane Youngのsludge hardcore punk/metalプロジェクトで、また彼はblack metalバンドELEGIACのメンバーだよ。2019年4月には、初めてビニールでZer0 れいの"black magic"を俺とAt Dusk Records、Sebastienの共同でリリースしたんだ。


photo : MURDER INTENTIONS


PR> H8000エリアには沢山のハードコアバンドがいるけど、現在活動中で特にオススメのバンドは?
Jens> LIARやVITALITYの古いバンドも好きなんだけど、大抵は違ったスタイルのバンドを聴いていたんだ。OUTCASTはフェイバリットバンドの一つだよ。でも彼らがまだ活動しているかはわからないなぁ。メタルとNYスタイルのハードコアを混ぜたすごいクールなサウンドで、今だに1999年の唯一のデモ"baptized in blood"を聴いているんだ。ほとんどのメンバーはWHATEVER IT TAKESに在籍しているよ。
俺らのエリアにはアンダーグランドなクールなバンドがたくさんいる。stoner/sludgeバンドのLOST BARON、GROTTO、HER FAULT。grind/crustバンドだとVERPESTやNAKED APE。Death/blackバンドはNIL MISERANSやTHE CURSE OF MILLHAVENとかだね。
最近GhentにはWIEGEDOODやVONNIS、WITCH TRAIL、GAGGED、SOUL GRIPとかたくさんのバンドが出てきているよ。

PR> 日本の文化やハードコアシーン、バンドについて何か知っていることはある?
Jens> 日本のハードコアバンドはたくさんは知らないけど、いくつかのバンドはもう長いこと聴いているよ。DISCONFORMITYが2000年始めにリリースした数本のデモはフェイバリットだし、
INFERNAL REVULSIONはMURDER INTENTIONSを始めるのにすごく影響があったバンドだね。あとCOFFINSやVISCERA INFESTとかかな。
最近Obliteration Recordsとトレードしたんだ。日本のGATEやSu19b、RETCHとか知らなかったバンドの音源が届くのをすごく楽しみにしているよ。
また、石川忠のサウンドトラックはすごく好きだし、鉄男 The Iron Manという映画は有名だよね。もちろんゴジラも。
日本の文化やシーンについて調べることは興味深い。いつかは訪れたい国だけれど、バンドで行けたらもっといいなぁ。

PR> 忙しいなかインタビューの返答ありがとう。最後に何か言いたいことはある?
Jens> 君のH8000 hardcore sceneのディープな情報はほんと感銘を受けたよ。こういうブログは継続してほしいね。インタビューを通して日本で俺らの音楽が広がることは名誉なことだと思う。この機会に感謝したい。