Sunday, March 31, 2019

Indiana hardcore scene - 2





90年代後期から活動していたNoblesvilleのHORIZONは、デモ2本の後1999年にCatalyst Recordsから"where the blind lead the blind"をリリースした。1998年と1999年の2回分のレコーディング音源が収録された都合上、在籍した時期によってBrandon BeachlerとNathan Dukeの2人のドラマーがクレジットされている。

レーベルカラーに準ずるそのサウンドは、EXTINCTIONやENDEAVORまたはCULTUREライクで、よく練られた曲構成にはセンスを感じる。ベース単体のパート、ハーモニクス、アルペジオそしてスポークン等々、mid 90's new school hardcoreの要素を全て兼ね備えているといっても過言ではない。これはメンバー編成を見れば必然的で、後期BIRTHRIGHTで活動中だったギタリストのIan PhillipsとJeff Dawesが在籍しそれぞれボーカル、ベースへとパートチェンジしているのも特筆すべきだろう。

ギターのReid Crandallも一時BIRTHRIGHTに在籍していた人物で、後にANTHEM BOYを結成したことは周知のものとなっている。





メンバーの回転が速いBIRTHRIGHTに同時期に在籍していたReid CrandallとNeal Taflingerが中心となって結成したANTHEM BOY。このバンド名は、後にCHAMBERLAINと改名する同郷のSPLIT LIPの曲名から付けられたという。確かにDoghouse Records系のearly 90's emotional hardcore/post hardcore感を全くないわけではないが、やはり各メンバーが経過してきたpure new school hardcoreの要素の方が大きいか。
ただEPの話しが流れ、自主で2001年にリリースした"demonstration"しか判断材料がなく、活動の様子もよくわからないのが実情。
その後のメンバーの動向から推測すると、活動期間も短かったように思える。

ボーカルのChris Rhoadsはrockabillyバンドを、ドラムのPaul MooreはV/A "the path of compassion"に参加していたTEN TIMES OVER、ギターのNeal TafflingerはDIE TRYINGのメンバーとANGELVILLEを始めている。
さらにReid CrandallとPaul MooreはBLUE SKY GOODBYEを結成するなど活動は多岐にわたっていた。





vegan death metalバンドUPHEAVALは、ギターのBenjamin ParrishとBIRTHRIGHTのNathan Stambroが中心となって1997年に結成された。翌年にはデモに1曲加え、Eulogy Recordingsから"downfall of the ascendancy of man"をリリース。
MORNING AGAINやNEW DAY RISINGの要素を兼ね備えたサウンドは、当時話題になったのを記憶している。

しかし間もなくしてメンバーチェンジを行い、brutal death metalへと深化させていくことになる。まず1999年にボーカルのJames Tyanが脱退し、BIRTHRIGHTでドラムだったDrew Grimesがボーカルに転任して加入。つぎにベースがBrian Allenの後任としてBryan Grimesが就いた。

そして2001年にWillowtip Recordsから"testimony to the atrocities"をリリースするわけだが、Grimes兄弟加入がもたらしたものなのか記述のようにdeath metal化が進み、CREATION IS CRUCIFIXIONやCIRCLE OF DEAD CHILDRENと比較されるまでにサウンド転換していった。しかしBryan GrimesはAMONGST THE SWARMとしても活動を始め、これが一因となったのかUPHEAVALは2002年に解散となる。

またBenjamin Parrishは、後にSLAYER直系のthrash metalバンドDEMIRICOUSで活動、Metal Blade Recordsに所属するまでに至る。






ICE NINE解散後、1997年にJohn ZepsとTodd Gullion、Scoth Dodsonはex HARDBALLのボーカルRyan Downeyと4人体制でBURN IT DOWNを結成した。
同年Uprising Recordsからself titledの7epがデビュー作となる。COALESCEやDROWNINGMANなどと比較される90's chaotic hardcoreは、各メンバーが培ってきたもので既に確立されたクオリティを誇っていた。
直後にベースのTodd Gullionが脱退(San Franciscoへ渡りTIME IN MALTAを結成)、一時BIRTHRIGHTにいたJason McCashが加入したようだがJohn Johnsonがさらに後任として、またドラムがBrian Foutsへと入れ替わり再編成された。

そして1998年に移籍先のEscape Artist Recordsから"eat sleep mate defend"をリリースする。この前後1、2年ほど在籍したJohn Johnsonは、VEGAN REICHやHARDBALLを渡り歩き、後のSEVEN GENERATIONSさらにxEdgexで活動する人物。彼が脱退後の後任には、再びJason McCashが着任している。

1999年、RACETRAITORとのスプリット"make them talk"がリリースされた。Trustkill Recordsということもあり、new school層にも拡散した作品になったと思う。
2000年には1stフル"let the dead bury the dead"をリリースし、ビッグフェスへの出演やIN FLAMES、NEVERMORE、SHADOWS FALLとのツアーを行うほどの実力をつけながらも、Hellfest 2001を最後に解散となる。2005年に地元で開催されたMidwest Music Summitにて、当夜のみのリユニオンショーを行った。

またBURN IT DOWNによって次世代にも再評価されたICE NINEは、2004年にディスコグラフィをHappy Couples Never Last Recordingsからリリースし、2010年には7ep"nobody's son"で復活を果たしている。


BURN IT DOWN - "Detroit Fest 2000"


ICE NINE - "I hate"
 





BURN IT DOWNが活動を終えた2001年、Brian FoutsはUPHEAVALのBryan Grimesらと、新たにAMONGST THE SWARMとして動き出した。しかし2010年の解散までにリリースした正式音源は、2003年にSkeptic Productionsから出した"crowning the defeated"のみ。

old death metalからのアプローチが強い作品ではあるが、UNCONQUEREDやRACETRAITORに通じるものがあり、声質はABSENCEのFabio Raffaeliに近かったりする。

ベースのBryan Grimesが脱退後、ex BURN IT DOWNのJohn Zepsが加入。そしてフルレングスのプロモとして4曲収録の"demo 2005"を出したが、結局は次作のリリースまで至らなかった。この時期からドラムのBrian Foutsは、UPHEAVALの旧友Benjamin ParrishとDEMIRICOUSでの活動を始めていて、さらに2006年にはdoom metalバンドTHE GATES OF SLUMBERへと加入。翌2007年にはTHE DREAM IS DEADとのスプリットをリリースしている。

またギターのRyan GreenはSUMMON THE DESTROYERを結成するなど、各々新たな活動へと動き出す。往年は掛け持ちのバンドやHARAKIRIなんかとのライブが多かったようだ。


THE DREAM IS DEAD - "03-04-06"
 

THE GATES OF SLUMBER - "death march"

 
SUMMON THE DESTROYER - "perdition unbound"
 


: my collection :
 

Monday, March 4, 2019

Northern Italy hardcore scene - 5





2001年に"choke the sun"をReal Deal Pressingsから、さらに3 way split "the hardcore connection"(w/ COMIN' CORRECT、ON FALL)をReal Deal Pressings/Bloody Tears Collectiveの共同で2003年にリリースしていたCAINは、Milanoにて1998年に結成されたthe Milano brutal crewのバンド。

LENGTH OF TIMEやKICKBACKの影響下にあるサウンドに、ベーシストAldóのローボイスを絡めたedge metalスタイルはDEFORMITYにも例えられるか。
しかし多くのバンドを輩出したエリアだけに、NAPALM DEATHやDARKEST HOURとの対バンも果たした彼らの実力に反し、埋もれた感は否めないのが実情。

情報が少なくその後の活動が見えてこないが、2010年に突如7ep"HFOY"をlimited 333でリリースする。配給はRelapse Records、Century Media傘下にあるイタリアのNight Of The Vinyl Dead Recordsからで、BRUTAL TRUTHやEYEHATEGOD、NEUROSISなんかも手掛けたBilly Andersonによってミックス、マスタリングが行われた。
サウンドプロダクションはもちろん、SUFFOCATIONをも追従するdeath metalへと転換している。
それに引きづられてか、ローボイスの比重が高くなっているが、逆にGuascoのハイトーンと要所の単音弾きがアクセントとして効果的。オリジナリティさえ感じる楽曲は2曲のみでは物足りない。


CAIN - "wood"






UNBROKEN、ABNEGATIONやCULTUREをフェイバリットに挙げるFROM THE DYING SKYは1999年に結成されたvegan straight edgeバンド。earth liberation、veganismのメッセージ性が強いリリックに、ARKANGELやCALIBANライクなリフを軸に構成され、後期はメランコリックかつエモーショナルパートが混在する曲調を生みだしている。

結成後まもなくベースが抜け、後任にTO DIE FORのDaniele Fontaninが加入した。そしてプロモを制作し、スペインのDark Sun Recordsから2000年に"truth's last horizon"のリリースへと至る。クレジット上は3代目ベーシストFreddyとなっているが、実際はDaniele Fontaninが弾いていたようだ。
その後はSENTENCEとのEurope tour 2000、HEAVEN SHALL BURNやCALIBANと対バンするなど場数をこなし地盤を固めていった。

メンバー入れ替わりは常で、ドラムがChristian MusichからMatteo Piattiに代わりニューラインナップとなった彼らは、V/A "the path of compassion"参加のためレコーディングに入る。
2001年Catalyst Recordsからリリースされたこのコンピは、だれもが反応するような蒼々たるメンツが連なっていたことでも認知されている。
後々Burning Season Recordsから"truth's last horizon"の再発盤としてリリースされた、"towards last horizon"のボーナストラックにもなった曲でもある。
2003年の解散前にはボーカルがRossoからPallidoへ、ベースがFreddyからSebastjan Testenへと代わっていて、この体制で再発盤にクレジットされているが、過去の音源なので関係はしていない。

またMichael Bertoldiniは、2000年にTO DIE FORのNicolas MilaneseらとNOT ONE WORDを新たに結成。こちらはpowerful old school hardcoreで、2002年に7ep"daybreak"をリリースしている。


FROM THE DYING SKY - "live full set"






2003年にTriesteで結成されたTHE SECRET。FROM THE DYING SKYが解散した年にギターのMichael BertoldiniとDaniele Di Luca、ドラムのMatteo Piattiらが結成したわけだが、前身バンドとはかけ離れたchaotic hardcoreには正直戸惑いを隠せない。しかしメンバーからしてみれば、過去に縛られることなく意図したものだろうと推察できるサウンド転換だった。

デビューは2004年の"luce"で、Goodfellow Recordsからのリリース。CONVERGEやEVERY TIME I DIEの90's chaotic mathcoreをバックボーンに、doomさらにsludgeとも取れる要素を組み込んだスタイルは、新たな可能性さえ感じさせるものだった。

活動を続けるなか、Michael BertoldiniとボーカルのMarco Coslovich以外のメンバーが入れ替わり、4人体制で2008年にリリースされた2nd"disintoxication"。これはCULT OF LUNAのMagnus Lindbergをプロデューサーに抑え、古くはREFUSEDなんかも利用していたUmeaのTonteknik Studiosでレコーディングしたことでも知られる。

2010年、CONVERGEのKurt Ballouプロデュースの"solve et coagula"を、Southern Lord Recordingsに移籍してリリースするが、まもなくドラムのChristian Musichが脱退。後任にはex TO DIE FOR、SLOWMOTION APOCALYPSEのTommaso Corteが加入した。

2012年に4th"agnus dei"をリリースし、翌年にはISOLATEとのJapan tour 2013で来日を果たす。着実に活動域を広げ支持されている感はあったが、以降しばらく活動休止に入る。
この間Michael Bertoldiniは、Clio Leeuwenburghと共同でArgento Recordsを設立したり、VERWOEDのライブサポートなど務めていたようだ。

そして2018年に復活作となる3曲収録のLP"lux tenebris"をリリースした。イントロからその混沌とした世界観はSUNN O)))まんまで、すでに彼らの求める極限状態のところまで到達したように思える。


THE SECRET - "live Trieste Italy"
 
 

: my collection :