Saturday, September 30, 2023

New Zealand hardcore scene (Auckland)





Impression Records企画のV/A "mother earth"に参加していたTHE SEASONのボーカルCashdogが、解散後の1998年に結成したCOMING OF THE NEW MESSIAH。North Islandの北部に位置するAucklandを拠点としていたバンド。

ベースのSerial Killer Rossが並行するvegan straight edge hardcoreバンドACT OF VENGEANCEは、ドラムのGeorge Clarkが籍を置き、後にDAY OF CONTEMPTに加入するDan Smithらが組んでいたDSMとsplitテープを出している。
一方COMING OF THE NEW MESSIAHはEvan Shortをエンジニアに迎え、BROTHER'S KEEPERとのスプリットをリリース。これはTHE SEASONが所属したDarkside Productionsからのもので、当時の流通は比較的よかったと思う。

4曲を新たにレコーディングした彼らは、スプリットの曲を加えた1st"diseased"をEMSがオーナーを務めるSurprise Attack Recordsから2000年にリリースした。レイアウトなどTrustkill Recordsも関わっていて、後に参加するV/A "it's all about the money"やV/A "scene preservation"の顔触れからも知名度が高かったことが窺い知れる。
ACT OF VENGEANCEや結成間もないEVIL PRIESTと共演しシーンを牽引する存在で、自国以外ではErieでSANTA SANGRE、PROBLEM SOLVER REVOLVERらと共演を果たしたSurprise Attack Records Showcaseに出演。しかし、その直後ぐらいに解散となっている。


SEASON OF EVIL - "purifire"






EVIL PRIESTはCOMING OF THE NEW MESSIAHで活動中のCashdog、George Clarkらにより1999年に結成された。dual vocals編成にthrash metalの影響を取り込み、CRO-MAGSからIN COLD BLOOD、RINGWORMにも通じるスタイルを提示。

2002年に1st"underground hardcore"をリリースすると、地元AucklandでDAY OF CONTEMPTやTHROWDOWN、HATEBREED等のツアーサポートを務めるなど、中核を成す地位を築きあげた。
ベースがDan 'T-Dubs' AndersonからMark Newboldへ代わり、PROMISE OF BLOODSHEDのMatt Wadsworthをセカンドギターに加えた2nd"II - hardcore gods"を、2003年末に帯同したTERRORのツアーのタイミングでリリース。その後ドラムのGeorge Clark脱退によりMark 'Wurzel' Seeneyが加入、セカンドギターがMatt WadsworthからCaptainへと代わった。

メンバーの再編成を行い次作に取り掛かった彼らは、2005年にMADBALLと共演を果たし、3rd"III - a hardcore legacy"を出している。これに収録されたINTEGRITYのカバー曲は、解散後となるがEscapist Records主催のトリビュートアルバム"harder they fall"に提供した。また2014年、リマスターされた13曲を"15th anniversary remasters"としてリリース。


EVIL PRIEST - "Ellen Meville Community Hall,High Street,Auckland"






2005年、Aucklandで結成されたANTAGONISTは、その名の通りMAROONが由来のbrutal metallic hardcoreバンド。
2006年にONE MUST FALLのDavid Baxterがエンジニアを務めた1st"these cities, our graves"でデビューした。Hamtown Smakdown 2006の出演、MOST PRECIOUS BLOODと共演するなど頭角を現していくにつれ、同名バンドとの区別化が必要になり、2nd"we are the dead"をANTAGONIST A.D.にマイナーチェンジしリリースする。オーストラリア盤はTrial And Errorからの流通となった。自国盤は1stに引き続きElevenfiftySeven Recordsから出し、North Islandをまわった Closer To The Sun Tour、その後EARTH CRISISのAustralian Tour限定でリユニオンしたDAY OF CONTEMPTにANTAGONIST A.D.も同行している。

しかし2010年にギターのRoss McDougallとベースのJoshua Moffittが脱退。ギターにはMatt Livingstoneが加入するが、ベースはこの先しばらく正式に決まっていないようだ。ただ活動は止まらず、THE OUTSIDERSとのWinter Tour、CONFESSIONのThe Long Way Home Tourに帯同する一方、3rd"nothing from no one"の制作に取り掛かった。そのリリースに伴うツアーでは、OUT COLDやLIONHEARTとツアーを行なっている。そしてベースにTHE BURIALのLuke Mansonを迎え入れ、Mission Quest To Metal Fest出演、レーベルメイトMURDER DEATH KILLとの共演などを経て、THE GHOST INSIDEのAustralian Tourに帯同した。さらにUKはLeedsで開催のGhostfestを含むEuropean Summer Tour 2013、East Coast Tourなど休む間もなく活動を続け、ドイツのLifeforce Recordsと契約を交わした。そして2015年、4th"haunt me as I roam"のリリースへと至る。サウンドはもとより、ボーカルSam Crockerのスケール感が増し、同時期のCALIBAN化が進んだ印象を受ける。

その後ドラムのIsrael McDeanが抜けるなど編成を替え、Greyscale Recordsからシングルを数曲発表。次作の5thアルバムまでは時間を費やすことになるが、CAGED EXISTENCEとAustralian Tourをまわり、再び行なったEuropean Tourで確立した地位は盤石なものとなった。そして2022年、CONVERGEのKurt Ballouが運営するGod City Studioでレコーディングが行われた5th"through fire all things are renewed"がリリースされた。


ANTAGONIST A.D. - "I'm just not there"






ANTAGONIST A.D.に加入したLuke Mansonがボーカルで在籍のほか、TOO LATESUPERIOR VISIONのメンバーを含むXILE。Grafton Cityを本拠に2015年から活動しているbeatdown hardcoreバンドで、ユーロ圏のバンドにリンクする要素が多くまた親交も深い。
ドイツはBDHW Recordsからの"Grafton EP"以前、すでにILL NATUREDのNew Zealand Tourサポートを務めていて、リリース後にはSWORN ENEMYとNorth Islandをまわり、翌2017年にAsia Tourを行なった。
そしてDeadfestの出演、NO ZODIACのBlack Mass Across Australia '19に帯同、直後のSoutheast Asia Tour 2019では別でツアー中のMALEVOLENCEとの対バンを果たした。

KNOCKED LOOSEと共演後にはElimination Festに出演し、待望の1st"I am your god"リリースへと至った。しかしタイミング的にコロナ禍となってしまったが、そんな状況下でも可能な限り活動を続けたという。DEPTHS、EVERGREEN TERRACEのNew Zealand Tourで地元Aucklandでのショーをサポート、そしてNASTYのEuropean TourにCOUNTERPARTSと招集されている。
その後もAustralian Tour 2023、ALPHA WOLFらとImpericon Festival Leipzigを盛り込んだThe Steppin' Over Roaches Tour 2023をこなし、次はJapan Tourも視野に入れているという。もはや世界を股に掛けた活動で知名度を得ている。


XILE - "diamond eyes"



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