Friday, April 30, 2010

Upstate New York hardcore - Ⅱ (315 HC - 5)

 
 
 

2001年、Syracuseで行われたHellfestにて解散したEARTH CRISIS。しかし、すぐにScott CrouseはDennis Merrickを誘ってISOLATEDなるプロジェクトを、他のメンバーはNEMESISを結成。

このNEMESIS は言わずと知れた後のFREYAだが、実はEND BEGINSとも改名している。

ともにEARTH CRISISの曲名から取ったことを踏まえると、FREYAという名が誕生した瞬間こそ過去から脱却したことを意味するものだと取れる。


FREYA結成とほぼ同時期、Daniel Johnsonが始めたTHE LAST SEASON。なかなか情報が乏しくてSurface Recordsからの"called it civilization"も流通が悪かった。

バンドとしては、Danが音源リリース後に脱退し、後任ボーカリストにBilly Martinが加入していたが、彼も脱退してしまい2005年に解散。


FREYA - "suffer not one"





THE LAST SEASON然り、GODBELOW から派生したバンドとしてBRAND NEW SIN、UNHOLYの存在もある。

BRAND NEW SINは、Kris Wiechmann(Gu)、Chuck Kahl(Ba)、Brian Slider Azzoto(Gu)らから成るトリプルギター編成。
LIFE OF AGONY、CORROSION OF CONFORMITYともツアー経験も持つようにそっち系。
現在は、Krisがボーカルとギターを兼任。

 
BRAND NEW SIN - "days are numbered "





一方で、THE LAST SEASON を脱退したDanが、ex GODBELOWのJoe Murphy(Dr)、ex ANOTHER VICTIMのJonathan Dennison(Gu)、そしてTHE LAST SEASONのSteve Caiello(Gu)らとUNHOLYを結成。
TESTAMENTなんかをチラつかせるadult rock touchで、最新作はDanの後任ボーカルにBilly Priceを迎えた"new life behind closed eyes"。

現在、Andy MillerとJDはWHEN TIGERS FIGHTにも名を列ね、Billy PriceとJoe Murphyが在籍するWAR OF ATTRITIONは、KarlのKrom Recordsから"…and the void stared back"がリリースされている。


ちょっとさかのぼって2004年から活動していたA CALL FOR ARMS。exなんたらという肩書きをもたない純血な別ラインとして期待されたが3年程で解散。
確かボーカルはメキシコ人だったと思うが。おそらく音源もデモのみ。


近況として特筆すべきは、DJ Rose とPatrick Kitzelがオーナーを務めるReaper Recordsと契約するFORFEITの存在。fastな曲調にmosh partを組み込んだ、THE PROMISE以降のSyracuseサウンド。
Tom Damianoは、Bostonに拠点を置くMELTDOWNのメンバーとBLACKOUT RAGEを始めていて、Seventh Dagger family入り。
そして、2009年にデモをリリースしたGHOST SHIPの動向も気になる。
 
 
GHOST SHIP - "the comeback"
 

  
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Sunday, April 11, 2010

Upstate New York hardcore - Ⅱ (315 HC - 4)



 


かつてEARTH CRISISから派生したバンドは数多いが、第3世代の筆頭ともいうべくANOTHER VICTIMも後世にSyracuse DNAバンドを排出させたvegan straight edgeバンドとして名高い。
 
彼らが結成されたのは1997年のことで、Jonathan Buskeがギターとして加入するのは、同年"a portrayal of vengeance"をリリースした後のことである。

1999年にはDennison、Buskeそしてex BLOOD RUNS BLACKのCorey KonizがSANTA SANGREを、Tony Tornabene はTom Cavanaugh (ex BLOOD RUNS BLACK)とDARKER DAY TOMORROW(のちにSANTA SANGREのデモで歌っていたMike Lazoreがギターで加入)を立ち上げることによりANOTHER VICTIMとしては2000年、解散を発表している。
 
翌年、ONE KING DOWNのオリジナルメンバーで、後のIT’S ALIVEのDerrick VanWieをドラムとして迎え入れ再結成されるも1年足らずで解散。
 
再結成後の音源としては"for the liars & the cheaters"のみが存在するが、これはディスコグラフィーと一緒に5インチで再リリース済み。
オリジナル盤の方は、写真じゃわかりづらいけど妙に手が込んだジャケットで、羽状にカッティングされていたりリリース経緯も謎が多い。limited 15の極少生産。


ANOTHER VICTIM - "martyr"
 
 
SANTA SANGRE - "live at Club Q"





ギターのJim Winters、ドラムのDerrick VanWie以外がex ANOTHER VICTIMのメンバーで編成されたstraight edgeバンドTRUE LOVE
バンド名に関して著作権に引っ掛かったらしく、THE PROMISEに改めた経緯がある。このメンツが集まったのは、ANOTHER VICTIMがTURMOIL、ONE KING DOWNとツアーをまわっていたこともあり、元々お互いよく知れた仲だったようだ。
Jonathan BuskeとJonathan DennisonはSANTA SANGREへと活動を移していたが、JimとDerrickがそれぞれのバンドを脱退を機にTHE PROMISEは動き出した。
 
結成後すぐにHellfest 2001でのプロモ用にレコーディングした、"my true love"を基にDeathwishとの契約へと至る。そして'02年、同レーベルよりフルレングス"believer"をリリースした。
 
音的にはANOTHER VICTIMにmodern old schoolパートを加え疾走する感じだが、Anderson Bradshawの歌い方は変わることもなく、ANOTHER VICTIMを継承したスタイルに変わりはない。
来日を果たした'05年に解散。

 
THE PROMISE - "crush all fakes/the kiss off"
 
 
 
ex CONTEMPTのJamie CoyleとTravis Hanceらで結成されたHERMON DEKALB
JamieはANOTHER VICTIMで"demo"、"a portrayal of vengeance"にかけてドラムを叩いていた経歴を持ち、一方のTravisは後にPRISONER、DARKER DAY TOMORROWやTHE FUNERALへと渡り歩き、常に第一線で活動する彼らによって形成されていた。

Temperance Recordsから出した"to repossess the heart"のうち2曲を、V/A "Syracuse hardcore 98.99"に提供したほか、4-way split"HEX seven inch comp."にも参加したことでも知られている。

彼らの音は事前情報がないと、Syracuseのバンドとはまず思わない。言われれば各々培ってきたものを感じはするが、CAVE INのような90年代のHydra Head Records所属バンドに近いchaotic hardcoreの印象が強く残る。

また、Keith AllenとDouglas HandはTHE AUGUST PROPHECYを結成していて、Hellfest 2000にも出演。'99年にOHEV Recordsからリリースの"five endeavors in self murder"は、翌年にAlone RecordsからLP盤でリプレスされた。こちらはHERMON DEKALBをさらに推進したサウンドだったが、どちらも短命で終わってしまったようだ。
 
 
 
 
 
ギターのGrant JonsonがLAへの移住を機に解散したTHE FUNERALは、Hex RecordsのオーナーRyan Canavanがボーカルを務め、既述のTravis Hanceが在籍したバンド。
 
ドラムのTony TornabeneもDARKER DAY TOMORROWのメンバーだけあり、音を例えようにもTHE PROMISEぐらいしか出てこない。それほど当時を象徴するサウンドだった。
 
正式音源は、'02年にレコーディングされたEndwell Recordsからの"ruled by none"のみで、"2 demos"はタイトル通りレコーディングが2回に分かれていることから、2本のデモがカップリングされたと思われる。
 
 
THE FUNERAL - "01012004"
 
 
 
: my collection :
 



こんな記事を書いているなか、BLOODAXE FESTIVAL 2010にてANOTHER VICTIMの来日が決定。
今回のみのリユニオンみたいなので見逃し厳禁。
 
 
 

Thursday, April 1, 2010

Upstate New York hardcore - Ⅱ (315 HC - 3)

 


 vegan、drug free lifestyle、animal rightsを掲げるEARTH CRISISが、1992年にConviction Recordsから7ep"all out war"でデビューした。
オフィシャル上1991年結成となっているが、それから遡ること1989年には始動していたらしい。その矛盾を解くには、前身バンドとして受け止めたほうがいいかもしれないが、この時期にすでにecocideはできていたともいう。
ちなみに当時のラインナップはDJ RoseがボーカルでKarl Buechnerはベース、ギターがJohn Moseman、ドラムがJesse Buckleyといった布陣だった。

正式にはKarlがボーカルにパートチェンジし、ギターがScott CrouseとBenjamin Read、ベースがIan Edwards、後のFRAMEWORKのMichael Riccadiがドラムというメンツで動きだした。
それからドラムがDennis Merrickにチェンジ、Benの後任としてKris Weichmannが加入し再編成され7ep"firestorm"、そして1995年に1st"destroy the machines"をVictory Recordsからリリースした。これはnew school hardcoreのバイブル的アイテムとなり、名実共に不動の地位を築きあげた。

1998年ギターのKrisが脱退し、Erick Edwardsが加入した3rd"breed the killers"は、インディー大手Roadrunner Recordsへの移籍作となり、新たな支持層を取り込む一方で、古くからのリスナー離れが起こったのも事実だった。
2nd"gomorrah's season ends"からさらにnu metalcore色が増し、MACHINE HEADのRobb Flynnが参加したことも需要側の求めるものと微妙なズレを生んだ。
彼らの変化に戸惑いつつもその後の動向が気になっていた人も多いと思うが、2000年の4th"slither"は古巣Victory Recordsに戻ってのリリースとなった。Karlの謳い揚げパート、mixture/nu metalとも取れるサウンドはもう異次元。

同年に来日を果たし、そのJapan tour 2000の模様は、DVD"forever true"に収められ、メンバー間の仲睦まじい様子が窺えたが、翌2001年に行われたHellfest出演を最後に解散となる。

2007年、解散前のメンバーが再集結しリユニオンを果たす。そして2009年、セルフプロデュースの5thアルバム"to the death"が、Century Media Recordsよりリリースされた。ミックスはTue Madsenが担当している。

さらにSeventh Dagger Recordsから、"demo 1993"の7epバージョン"forced to kill"がリリースされ、ただのリバイバルでなく原点回帰を意図していたことは間違いない。

2010年にはPump Up The Volume Festで再来日し、Japan tour 2010を行った。
各メンバー多忙を極め、なかでもKarlはKROM Recordsのレーベル業の傍ら、マーチブランドStorm Machineを立ち上げている。


EARTH CRISIS - "live at Sea Seas in Moosic, PA on October 24, 1997"
 


 
 


SHELTERとのツアー中の事故で、ドラムのDennis Merrickが大けがを負ったことによって、EARTH CRISISとして活動ができなくなってしまう。
そこで他のメンバーが、1996年にTHE PATHなるサイドプロジェクトを始め、デモを出した経緯は有名な話しだと思う。

このPATH OF RESISTANCEはKarl Buechner、Kris Weichmann、当時のツアーマネージャーでHalo TattoosのDJ Roseによるトリプルボーカル体制に、FRAMEWORKのShane Durgeeがベースで参加。Scott CrouseとIan Edwardsがギター、前任のMichael Riccadiがドラムという贅沢な布陣。

そしてVictory Recordsから出した"who dares... wins"は、サウンドはもちろんジャケのインパクトも強烈なものだった。今では言わずと知れたオールスター的バンドの先駆けになっていて、世界各地に飛び火することになる。
DJ Roseが組んだErieのPRAYER FOR A FALLEN ANGELもその一つ。

一時的な活動かと思えたが、本業のEARTH CRISISが2001年に解散したこともあってか、New Years Hardcore 2005でPATH OF RESISTANCEはリユニオンし、翌年に2nd"can't stop the truth"のリリースにまで至っている。
ちなみにドラムはDennisが叩いていて、UNHOLYのJonathan Dennisonがベースを担当。


PATH OF RESISTANCE  -  "the chain"
 
 

 
 

 
ボーカルのDanny Johnson、EARTH CRISISのギターKris Weichmannらが結成したBLOOD RUNS BLACKだが、1995年にHarvest Recordsからリリースされた"cast into eternity within duration of a moment"時には既にKrisは脱退。ボーカルのDan以外はかなり流動的だったようだ。

BRB解散後、THE FARTHEST MANを組んでいたBrian Slider AzzotoとChuck Kahlは、EARTH CRISISを辞めたKris Wiechmannと、以降バンド活動をしていなかったDanを誘い、1998年にGODBELOWを結成した。しかし当時、喧嘩別れしたKrisとEARTH CRISISの関係は険悪なもので、地元での活動もままならない状況だったという。
ともあれ、プロモ用に録った音源がSurface RecordsのBrandonに見出され、7ep"self titled"がリリースされた。

このGODBELOWはトリプルギター編成として一般的に認識されているけど、実はちょっと意味合いが違う。Krisが脱退した後、後任にKen Dunhamが正式に加入、そこに再びKrisが復帰したという。
よって結果的にギター3本編成となるが、実際にはギター3人が同時に在籍した期間は短く、後期のスプリット"hollowed soul"(w/ RINGWORM)のみ。これには新曲2曲に加え、METALLICAのmaster puppetsがカバー収録された。BAD BRAINSも候補にあったみたいだが。

スプリット以前にAlone Recordsから出した"painted images with the blood of..."は、Krisがレコーディングを手伝ったこともあり、クレジットは3人だが3本同時にフィーチャーされている曲はない。


BLOOD RUNS BLACK - "live in New Haven, CT"
 
 
GODBELOW - "live at L'inco,in Montreal,on April 9th 2000"



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