IN州の西側に隣接するIL州には、Indianapolisにも劣らないシーンが90年代中期から2000年始めにかけて存在した。その台頭EVERLAST抜きにはIllinois hardcore sceneの成立はあり得ず、ここから派生したバンドが後々シーンを形成していく。逆に後のバンドを掘り下げるとEVERLASTにたどり着く。
1993年にデモをリリース、翌年Chapter Recordsと契約し7ep"...drown the self..."をリリースする。
そしてVA"the cold war"(w/ NONE LEFT STANDING、MEAN SEASON、WITHIN A LIE)への参加。
どこを切ってもearly 90's Syracuse hardcoreそのものだが、ABSENCEより先にこのスタイルを掲げた事実を踏まえると、やはり先駆者的位置付けになるだろう。
後にリリースするCatalyst Recordsのコンピ"the path of compassion"への曲提供には驚かされた。
Jody MinnochはTUSKでもボーカルを務めるが、一転PIG DESTROYERやHIS HERO IS GONEライクなgrindcoreをプレイ。MELVINSぽかったりもする。
EVERLAST - "live at Wesley United Methodist Church in Bradley, IL on April 30, 1994"
シーン形成にあたり、極めて重要な人物Pete Wentzが最初に結成したバンドがxFIRSTBORNx。1994年に結成、EVERLASTと共に活動していたと思われるが、デモ音源のみで情報が少ない。
ネット上でアルバム並みなボリュームの"unreleased 1997"という音源が転がっているだけに、リリースされず1999年に解散したのが惜しまれる。
サウンドは、CANONやRESTRAINらChapter Records所属のバンド、そしてSOULSTICEライクのtribal militant new schoolをプレイしていた。
また同等レベルのバンドとして、chi-land str8edgeを掲げたSUSTAINがいる。
こちらも"demo 1997"のみのリリースで、xFIRSTBORNxやEXTINCTIONらと活動していたようだ。
音を例えるならELEVEN THIRTY-FOURの前身FUNCTION。mid 90'sのIndecision RecordsやNew Age Recordsに属したSouthern Californiaベースだろう。
ex EVERLASTのDaniel Binaeiらが1996年に立ち上げた90's political straight edge hardcoreバンド。
1999年に解散していたRACETRATORだが、"demo 1996"が2016年にContrabandからリマスターされまさかの復活を果たし、もうすぐOrganized Crime Records/Carry The Weight Recordsから"burn the idol of the white messiah"がLP盤で再発される。オリジナル盤はUprising Recordsから1998年にリリースされていた。
翌年のTrustkill Records/Goodlife Recordings共同のBURN IT DOWNとのスプリット"make them talk"を通してのサウンドは、SUFFOCATIONやACME、RESURRECTIONからの影響を公言しつつも、Hydra Head Records辺りをバックボーンに感じる。
7月にはThis Is Hardcore fest 2017やEurope tourを控えていて需要がうかがえるが、それに伴い新しい音源も待たれるところ。
またAndy HurleyとKarl Hlavinkaは、KILLTHESLAVEMASTERにも在籍、Andyに至ってはSECTのメンバーとしても知られている。
RACETRATOR - "The Melody Bar in New Brunswick, NJ"
ex HALFMAST、PLAGUED WITH RAGEのJay Janceticやex EVERLASTのAdam Bishopらが在籍したEXTINCTIONは、1996年から2000年にかけて活動していたstraight edgeバンド。
TRIALとのツアーやTURMOIL、BROTHER'S KEEPERともよくライブしていたようだ。
Catalyst Recordsからの7ep"what you have created..."リリース後にJayが脱退、Adamがギターへまわり、一時期BIRTHRIGHTにも在籍したPete Wentzがベースで加入。
"hypocrisy breeds traitors"は、この7epほかコンピ"the difference between us"、"all systems go!"に提供した曲も収録されている。
ちなみにヨーロッパ盤は、Value Of Strength/Impression Recordsからの配給になっていた。
また、Cloud City Studiosにてex EARTHMOVER、WALLS OF JERICHOのMike Hastyをエンジニアに迎えている点にも触れておきたい。like ENDEAVOR、HARVEST。
EXTINCTION - "live at The El Mocambo Tavern, Toronto - 12/31/97"
1998年EXTINCTIONのAdamとPete、そしてRACETRATORのAndyとDanielらはARMA ANGELUSを新たに始めた。後にJayも加入している。
もともとHappy Couples Never Last RecordingsからリリースされていたデビューEP"the grave end of the shovel"が、ドイツのLet It Burn Recordsより再プレスされる。
続く"where sleeplessness is rest from nightmares"は、Adam Dutkiewiczプロデュース、Eulogy Recordingsリリースというだけでクオリティは確証されたもので、現代のmetal coreに通じていく。DAMNATION A.D.やOVERCASTにも比肩。
隠しトラックで、CHEAP TRICKの曲をカバー収録されているのは個人的に歓喜深かった。
本来ベースを本業としているPeteが、シンガーとして結成し才能を発揮したバンドであったが、FALL OUT BOYに専念すべくARMA ANGELUSは2002年に解散。彼はまたDecaydance Records(DCD2 Records)を設立し運営もしている。
ARMA ANGELUS - "11.16.02"
"a thousand miles from happiness"のサンクスリストにDYING FETUSやINTERNAL BLEEDINGらが名を連ねているだけあって、brutal death metalからのアプローチが強い印象を受けるSYNNECROSIS。とは言っても根はhardcoreで、DAY OF ATONEMENTや同郷のCATBURGLARとも比較できる。
昔Bloodaxe mail orderで流通させていたし、カタログno.4でインタビューも取っていたから日本でも知名度は比較的あったと思う。ある意味、本国より日本で開花したバンドとも言える。
また、メンバーのTodd MohneyとTimothy Remisは、ARMA ANGELUSのTim McIlrathらとTHE KILLING TREEを並行して活動。Greg Bruchertは、UP IN ARMSのメンバーらとTHE KILLERを結成している。
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