Sunday, December 29, 2019

Polish hardcore scene - Ⅴ





BLOODSTAINEDは2001年に結成され、 地元Leznoで行われたUnity fest 2003を収録した"mercy is a crime"が彼らの初音源となる。デモ"your suffering is my pleasure"のリリースは2006年で、この年にドラムのBronsonはRECALLでも活動を開始。ベースのVincenzoが脱退すると、RECALLのGregorが加入し後任に就いた。
さらにAlabamaがギターで加入、Mixerがボーカルへと転身してtwin vocalとなり、新体制でレコーディングに入ったのが3 way(w/ ENVY、CRAWLING GROUND)になる。
そのdeath metal furyサウンドは、 CRAWLSPACEやDROWNINGらにも対等するものであり、また彼らの影響を受けているKICKBACKを根底としていることも伝わってくる。

そして2010年に1stフル"saligia"が、今や海外バンドも在籍するRatel Recordsの001としてリリースされた。その後、MixerがUK移住のため脱退してしまったが、数曲レコーディングしていたようで、後の2013年Filled With Hate Recordsからスプリット(w/ LENGTH OF TIME)として世に出すことになる。
リリース後はGregorがベースへパートチェンジ、ギターにDziadekが加わり再編成を行なった。そして2014年に2nd"headless kingdom"をリリースする。このアートワークはコーラスでも参加している元メンバーのMixerによるもの。またその他にL'ESPRIT DU CLANからは脱退してしまったが、現在HANGMAN'S CHAIR、ARKANGELで活動するClement Hanvicがコーラス参加と、その辺のバンドとの強い繋がりを持っている。

2015年KarolとGregorがURを結成する一方、BLOODSTAINEDはZepcore fest 2015、DECONSECRATEとのFuneral Of The Gods tour 2015を行うなど、もはや知名度はユーロ圏全域に広がっている。

Jabba fest 2018以降、特に目立った動きはなかったようだが、すでに3rdアルバムのレコーディングを終えているようなので、そろそろ何らかのアナウンスがあると思われる。


BLOODSTAINED - "negativity"
 





2013年4月にGdańskで行われたBLOODSTAINEDらとのショーが初ライブとなったINCITEMENTは、OUTBOUNDのAdam Dopierała、WORK FOR ITで活動していたBiałasとAdam Kらによって結成された。
それよりちょっと前、experimental black metalバンドTHAWのPiotrekによるマスタリングのデモがRatel Records、Atonement Recordsからそれぞれジャケ違いでリリースされている。

xREPENTANCEx、ARK OF THE COVENANTを追随するedge metalサウンドは、リバイバル系のなかでも彼らみたいに当時の雰囲気を味わえるバンドは実際は数少ない。

結成直後から立て続けにライブが決まっていたようで、CROWD DETERRENT/COLD EXISTENCEのEuro tourサポート、OUTBOUNDのラストショーとなったBez Ziewania hardcore fest 2013などを経た。そして2014年にCarry The Weight Records/Ratel Recordsの共同によるLP"hyena"をリリースする。
しかし2015年に、BLOODSTAINEDの"headless kingdom"リリースパーティをIN TWILIGHT'S EMBRACEと行なって以降、情報が途絶えているのでおそらく解散済みなのだろう。短命ながらもLAST DAYZと共にシーンの一時期を築いたバンド。


INCITEMENT - "Gdańsk 18.05.2013"
 





ex OUTBOUND、INCITEMENTのAdam DopierałaがHEATSEEKERのIrek Bujalski、INSURRECTIONのJakub Gajdaらと2016年に結成したEMBITTER
サウンドはというと、上記バンドから一転、CULTUREやUNBROKENをバックボーンとする90's metallic hardcoreへと変貌を遂げている。

初音源がBound By Modern Age Recordsから2018年で結成時期からすると遅く、サイドプロジェクト的なスタートだったように推測がつく。各々のバンドが解散すると、7ep"season of solitude"がリリースされ、うち1曲を"The BBMA Records Mixtape Ⅱ"に提供した。
以降はJabba fest 2018、Refuse 25th anniversary festを含むHEATSEEKERとのsummer tourをこなす一方、早くも新作の制作に取り掛かった。
そして新曲3曲にMORNING AGAINのカバーを収録した"orwellian 2018"がCavalcade Records、Youth 2 Youth Recordsからそれぞれリリースされた。
2019年にはNever Forgive Never Forgetを皮切りに、RESURGAMとのEuropean tourを行なっている。

Jakub Gajdaがかつて在籍していたINSURRECTIONだが、2006年に北海道のCrossfire Recordsが出したベネフィットコンピ"we belong to the world living not for ourselves but for others"に参加、2008年には4 way "back from the dead"(w/ THE AGECRUSH ALL FAKESX'S ALWAYS WIN)をリリースしている。
そしてCrossfire Recordsの後身レーベルRebellious Recordsから単独LPの予定もあったが、結局お蔵入りとなってしまった。


EMBITTER - "Youth 2 Youth Weekender @ Warszawa 16.11.2018"
 





2013年に解散したTIME TO ARISEのPiotrek Kudが在籍するRADIANCE。Krakowを拠点とし、初期New Age Recordsから90's Umea hardcoreの影響下にあったemotional new school hardcoreバンド。

2016年に4曲収録の"self titled"がMark My Words Records、Youth 2 Youth Recordsとの共同でリリースされた。
そしてVICIOUS X REALITYとのショートツアー、Never Forgive Never Forgetのフェスなどを経た2017年、Black Wednesday RecordsからBLACK PALATEとのスプリットをリリース。
しかしベースのKrystian OrzechowskiがPROTEINを結成し活動を始め、一方でドラムのPiotrek Kudが脱退した。翌年にReason Recordsからのコンピ"tidal"に参加しているが、この頃に活動していたかというのは疑問。ちなみに収録曲はスプリットの曲を提供している。

そして2018年末、ギターAnton Lystopadがボーカル、Krystian Orzechowskiがベースからギターへとパートチェンジ、ベースにPROTEINのDamian Drachを加えFORESIGHTが活動を始める。
Anton Lystopadがウクライナ出身ということもあるのか、SET ADRIFTの影響を色濃く感じる90's inspired hardcoreで、Youth 2 Youth Records / Ugly & Proud Recordsから7ep"self titled"をリリースした。


RADIANCE - "Collosseum Music Pub, Košice, Slovakia"

 
FORESIGHT - "29/06/2018"
 

 
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Monday, November 25, 2019

Florida hardcore scene - Ⅵ





ABHINANDA、SPAWNそしてTEMPERANCEに至る要素を兼ね備えた、South Florida vegan straight edgeバンドENVISION

2018年のデモリリース後、新曲にTENSIONのカバーを加えたプロモを挟み、Ugly & Proud Recordsからその7ep"a world unseen"がリリースされた。上記のバンドをアップデートさせた90's metallic hardcoreは、同レーベル所属のSEARCH FOR PURPOSEやGUIDANCEにも比肩。
メンバーにはBLISTEREDやECOSTRIKEなど、もはや把握できないほどのバンドを兼任するLennon Livesayがドラムを務めるほか、ギターはxELEGYxのAnthony BurkeとCejasが務めている。

すでに7epの時点で話題になっていた彼らだが、続けてフルレングス"in desperation..."が、2019年にPlead Your Case Recordsからリリースとなった。
そしてECOSTRIKE、MAGNITUDEとのeast coast tour、さらにwest coast tour 2019を行うなどアクティブにライブをこなし、本国のみならず認知度が拡まりつつある。

North CarolinaやLondonのhardcore sceneと密接な関係を築き、規模拡大の一途をたどるシーンの中でも、勢いのあるバンドのひとつに挙げられる。


ENVISION - "FYA fest 2019 aftershow full set"
 




DRAWING LAST BREATHのLennon LivesayとKevin Gandra、xELEGYxのAnthony BurkeとSevn Doom 2099、Arduous Path RecordingsのオーナーKyle Ghenrykが集結したSEED OF PAINは、INTEGRITYやIN COLD BLOODに例えられるClevo styleのバンド。
ただプラス要素でcrossoverを加味した様は、一筋縄にはいかず同郷のDEFLECTとも類似している。

2018年、Arduous Path Recordingsからデモ、さらにPlead Your Case Recordsに移籍して"champions of chaos"をリリース。
2019年にはスプリット(w/ MANIAC)後、MOURNINGとのPlead Your Case UK takeover 2019を行い、帰国後は新作の制作に取り掛かっている。そのプロモとして2曲のカバーを加えた"promo 2019 A.D."がライブ会場のみで発売されたようだ。

2020年には、UKのMOURNINGを自国に迎えてのeast coast chaos 2020 A.D.が決定していて、次作への期待も膨らむところ。


SEED OF PAIN - "at FYA fest 2019"
 




MOMENT OF TRUTHは、SEED OF PAINのベースKyle Ghenrykがボーカルを務め、その他のメンバーがxELEGYxという編成で2019年に結成された。Anthony BurkeとCejasが掛け持ちしているENVISION然り、xELEGYxとも似付かない対照的なbrutal beatdown hardcoreをプレイしている。

日本のバンドからの多大な影響を公言しているように、その逆輸入されたサウンドは、まさにSTRAIGHT SAVAGE STYLE、DYINGRACEやIMMOTALITYを彷彿させるもの。
本国ウケもいいようで、Arduous Path Recordingsからのデモが即完していたが、KRUELTYとのスプリットの決定を受け、Dead Sky RecordingsからCD盤がリプレスされた。

そして各3曲収録のスプリット"the beginning to the end"を、limited 50でArduous Path Recordingsからリリースするわけだが、これもわずかな期間で完売。もうすぐ日本盤がDead Sky Recordingsから供給される予定。


MOMENT OF TRUTH / KRUELTY - "the beginning to the end"
 
 






2017年、Tampaにて結成されたPOINT OF CONTACT
2018年にデモ"undefeated"と、プロモ"still loyal to our scene"の2タイトルを自主でリリース。2019年1月に行われたFYA fest 6に出演を経て、"still loyal to our scene"の2曲を含むフルレングス"commitment"を、Plead Your Case Recordsからリリースした。

ECOSTRIKEやMAGNITUDEなどを手掛けたJohn Howardがエンジニアを務め、War House Studiosにてレコーディング、申し分ないサウンドプロダクションに仕上がっている。
この生産ラインは、拡大するシーンの裏方として重責を果たしているのは明らかで、もはや鉄板となりつつある。

サウンドはというと、アーミングを多用する辺りSTRONGARMやSTRIFEを連想させる一方で、90's New York hardcoreの流れを汲み取っていたり、近年のシーンの主流とは一線を画す内容。
今後、彼らを中心に多様化が進むかもしれない。そんな可能性を秘めたバンド。


POINT OF CONTACT - "June 26, 2019"
 


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Sunday, October 13, 2019

UK hardcore scene - Ⅸ





2012年Essexにて結成され、SPECIAL MOVEや50 CALIBERからの影響が色濃いbeatdown hardcoreを継承するSPLITKNUCKLE
初期Rage Recordsの音源である"nothing left unsaid"がリリースされたのが2014年。このレーベルはNIHILITYのJonny Pipesが運営していたもので、彼が脱退した後任にはボーカルのJoey Drakeがベースで加入していたり、NIHILITYと密接な関係にあるバンドだといえる。

2015年、REALM OF TORMENTやJacob O'Sullivanが掛け持ちしていたWORLD WEARYとそれぞれツアーを行ない、2016年にKNUCKLEDUSTらとDeadfestで共演、そして"ignorance breeds"のリリースに至った。これにはNIHILITYのJosh Gibbons、PROVENのJohn Kataがフューチャリングされていて、目覚ましく変化するシーンの中でも、しっかり立ち位置を確立した裏付けとも取れる。

2017年はShedfestに出演する一方、ギターのChristy O'connorがSTAGES IN FAITHを結成し活動を始めた。mid-late 80's hardcoreは意外ではあったが、ABUSE OF POWERの来英やNINEBARの20th anniversaryなど、アクティブにライブをこなしている。以降、SPLITKNUCKLEとしての活動が鈍った感じがするが、ベースのJacobが脱退したのも一因にあったように思える。

そして2019年、The Coming Strife Recordsから"innocence bleeds"がリリースされた。レーベル初のLPフォーマットで、プリオーダーを含めると300枚のプレスとなり期待も込められている。


SPLITKNUCKLE - "lingchi"
 





2020年1月にTampaで行われるFYA 7、SEED OF PAINとのeast coast tourが既に決まっているMOURNINGは、ドラムのSeb Catmur Wawrykと、それ以外のパートを担うFADEのConnor Hehirで始動したmetallic hardcoreバンド。
KICKBACKからMERAUDERの影響下にあるスタイルは、供給の最盛期にあるなか、群を抜いた存在の1つに挙げられる。

2017年のデモリリース後にSweepがベースで加入、そして2018年にxSERVITUDExのBen Brodieがエンジニアを務めた"reh. demo"をリリースした。これは新曲に加えNEGLECTのカバーを収録し、後に2本のデモをまとめた"reh.demo/demo compilation"がArduous Path Recordingsからリリースされる。タイミング的に、出演が決まっていたFoundations fest 2018を視野に入れたものだろう。

またセカンドギターにRENOUNCEDのDaniel Raynerが加入してさらに躍進は続き、Snuggle fest 2018を絡めたEXISTENCEとのツアー、Sweatfest 2019やSEED OF PAINとのUK tour 2019をこなしていった。

Florida hardcoreバンドとの繋がりが強く、Plead Your Case Recordsから"ecstatic masochist"をリリースしたのも必然的なのだろう。


MOURNING - "the flying duck in Glasgow"
 


 


INTEGRITYやIRONSIDEが確立したholy terror hardcore、さらにCOALESCEの持つchaoticさを兼ね備えるCRUELTYは、2018年にRage Recordsから"self titled"をリリース。
エンジニアにOBITUARYやBLOODLET、WAKE OF HUMANITYまで手掛けるBrad Boatrightを起用しただけでなく、彼らの創り出す独自の空気感は、異例の速さでユーロ圏外にも浸透していった。
それは活動にも反映されていて、MERAUDERを筆頭にCDCやABUSE OF POWERが一堂に会したReady fest '18、WITHDRAWNがリユニオンして話題になったFoundations fest 2018等に出演を果たす。

そして2019年、"in the grasp of machines"がArduous Path RecordingsとThe Coming Strife Recordsから、それぞれlimited 50のカセット盤でリリース、間もなく7ep盤でもプレスされた。また"self titled"を加えたCD盤がGuillotine Recordsから出ていて、まだまだ需要は衰えることはなさそうだ。

REALM OF TORMNENTとの5ヶ国に及んだJuly European tourを終え、彼らの今後に衆目が集まる。


CRUELTY - "after the chaos"
 


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Monday, September 2, 2019

Australian hardcore scene - Ⅰ (Melbourne - 3)





Steffanie Adele、Jake Zammit、Paul HammondそしてAngelyn Boadoとメンバー編成を見る限り、FORCE OF WILLから改名しての再始動と思われるCAGED EXISTENCE
音的に比較しても、FORCE OF WILLのLife Lair Regret Recordsから出した"mercenary"と路線に大して変わりはない。

2017年からMelbourneを拠点に活動しているvegan metallic hardcoreバンドで、この手のVENOM PRISONやUNRAVEL、CURSED EARTH類いのサウンドは、近年需要に比例してバンド数も増えた印象を受ける。
その一つがCAGED EXISTENCEであり、2018年に自主リリースした7ep"the body prison"が評価を得て、The Coming Strife Recordsからさらに2曲を加えた"the body prison:cantos"のリプレスへと至った。
そしてANTAGONIST A.DやTRAIL OF LIESのツアーサポートを務めるなど、シーン最前線のバンドとして頭角を現してきている。

しかしギターのPaul Hammond、ベースAngelyn Boadoの脱退に伴って再編成を行い、4人体制になった彼らだが、勢いは衰えず2019年に"the burden of purpose"をリリースした。そしてKNOCKED LOOSEのEurope 2019 tourに帯同し、Antwerp metal festへの出演も果たしている。

またドラムのJake Zammitは、IMPRISONEDのメンバーで現在はBROKENも兼任と多忙を極める。


CAGED EXISTENCE - "the burden of purpose"
 






Belgiumで活動していたREDEMPTION DENIEDのDavyが、Melbourneに移住してPLEAD 4 MERCYを結成。これは共にDECIMATEが母体となっているCAPITAL ENEMYと、メンバーを二分する形で始まった。
当時から話題になっていたようで、2016年にFWH Recordsより次世代を担うバンドのCD-Rシリーズとして、"hate"がリリースされたことでも推察できる。

そして、そのlate 90's moshcoreとearly death metalを融合させた様は、7SERPENTSやLAID 2 RESTなんかの支持層を中心に受け入れられた。

続く2017年の"curse"は、ex OVERPOWERのHeath Kongasが2ndギターに加わってのリリースとなる。しかしドラムのKyle Johnsonがthe Imminent Threat tourを最後に脱退、一方ギターのDavyが新たにEXCARNATEを始動させ、活動休止状態に陥っているのが現状か。

もっとも解散表明していないだけに、なんらかのアクションがあることを期待せずにはいられない。


PLEAD 4 MERCY - "the tote upstairs, May 2016"






2017年、DavyがPLEAD 4 MERCYの傍ら結成したEXCARNATE。2018年にリリースしたデモ"sever the ties"が、90's edge metalを忠実に再現し注目を集めた。
まさにARKANGELやPRIMAL AGE、SENTENCEを彷彿させるサウンドといえる。

デモリリースと同時にXILEと共演し、その後はTRAIL OF LIESとBINDを迎えたLair Fest Ⅳ出演、POWER TRIPのAustralian tour 2018、 MINDSNAREの25th anniversary showを主に、ローカルシューなどのライブを重ねていった。

そして2019年に地元のLife Lair Regret Records、UKのMark My Words Recordsと契約を交わし"self titled"をリリース。3曲は再録し加えたものだが場数を踏んでの今作で、需要的にもいいタイミングだったのかもしれない。
このEPリリースショーは、the Honour Amongst Thieves Australian tourと銘打って3公演が行われた。

今後シーンの中核をなしていく存在といえ、彼らの動向に注視する必要がある。


EXCARNATE - "honour amongst thieves"
 





ILL NATURED、DISGRACEなどに影響を受けていたSOULLESSは、VICTIM CONTROLでギターだったJackが、ボーカルとして新たに結成したdeath metal/hardcoreバンド。

2016年、FOUNDATION来豪のMelbourne場所が初ライブになるが、それに合わせてデモ"burn//misery"をリリースした。
この配給元のSeventh Day Recordsは、海外バンドをはじめDISAVOWやCRAVE DEATHらが所属するレーベルで、当時からすでに注目されていたことが窺い知れる。これを裏付けるように、Life Lair Regret Records主催のLairapalooza 2016、EXPIRE Australian tour 2016への出演を果たしていった。

そして"the gods will be overthrown"をリリースすると好評を博し、通常盤と後のツアーカバーバージョンの2種類が存在することになる。

翌2017年にはthe Imminent Threat tour、Moshfest 2017などに出演。しかし順調そうにみえた彼らだが、約3年の活動期間を経て解散。それはあまりにも突然だった。


SOULLESS - "overthrown"



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Tuesday, July 16, 2019

Ukrainian hardcore scene - 2 (Kiev)





90年代のリバイバルが盛んなOdessa hardcore sceneと密接なKiev hardcore sceneは、もっとメタリックな音を出すバンドが多い印象を受ける。Ukraineの首都でもあるそのシーンの先駆者にあたるのがxDEVIANTxだろうか。

2006年にLEVIATHANのメンバーらによって結成された彼らは、バンド名がxTYRANTxの曲名から由来し、かつ音楽性からの影響も推察することができる。
そのstraight edge mosh hardcoreは、Seventh Dagger Records所属のバンド、またNUEVA ETICAフォロワーに至るまで支持されていそうなスタイル。

デモを2008年にリリースすると、DEATH BEFORE DISHONORやDOWN TO NOTHINGのツアーサポートを務め、翌2009年には自主で"my choice"をリリースした。しかしドラムのЖекаが抜け、後任を立てずにそのまま解散してしまったようだ。
ABHORRENCEやVERDICTら海外とも対バンしてきたバンドで、シーンの口火を切ったともいえる存在。


xDEVIANTx - "betrayer"
 


 



2008年に結成されたmetallic hardcoreバンドTIME OF DEFEATS
xDEVIANTxのメンバーが掛け持ちでやっていたらしいが、立ち上げだけなのかクレジット上での確認はできない。

彼らの音源は、2010年にRussiaのIncarnate Recordsから"self titled"をリリースし、日本でも流通していたのである程度の知名度はあると思う。UNBROKENプラスARKANGELとも形容され、本人らもLENGTH OF TIMEからの影響をチラつかせているが、純正ではなくアップデートさせた90's metalcoreと解釈した方がいい気がする。

そして2013年に"wasteland"をリリースすると、Mayak fest 2013の出演やWALLS OF JERICHOのツアーサポートをこなし、頭角を現していった。
2016年には、GRIEVEDやSPIRITSの海外バンドともライブを行なっていたが、それ以降音沙汰がない。


TIME OF DEFEATS - "lost in the wasteland"
 





2013年に単独EP、ChileのWATERGLASSとのスプリットをReason Recordsから出していたCOLD SEASONは、2010年にKievで結成されたemotional hardcoreバンド。
バンド名をDRIFT AGAINの曲名から取ったと思われるそのサウンドは、EMPATHYやFLAGMAN、ADVANCE等を彷彿させ、SimferopolのMEMORIALSとも比肩する。

Odessa hardcore sceneとの関わりが深い一方、Young Voices Records企画に出演したり、RussiaのOBSESSIONと対バンするなど幅広い範囲で活動していた。
しかしMayak fest 2013の出演、そして音源を出した最盛期に解散となってしまった。

その後ギターのTaras ShevchenkoとドラムのAnton Pavliukは、新たに結成したYAHへと活動を移す。これが蓋を開けてみれば、COLD SEASONをさらに推し進めた90's indie rock/emoバンドだったが、BUCKWHEATなどこの手の音も充実しているKiev hardcore sceneでもある。2016年に"we woo"をリリース。


COLD SEASON - "Маяк fest 2013"
 





2009年結成のMY VICTORYは、NASTYやTRY ONE'S LUCK、BLACK MY HEARTライクなbeatdown hardcoreをプレイしていたバンドだが、それに反し弦楽器隊2人が女性とはとても信じがたい。
唯一の音源を、metallic hardcore/beatdown hardcoreバンドが多く在籍していることで知られるFatality Recordsから、2011年に5曲収録の"new jerk"をリリースした。その2 step/mosh partを織り込んだ楽曲は、レーベルメイトであるTernopilのSTRIKE EARCH OTHERにも引けを取らない内容になっている。

CUNTHUNT 777やIN BLOOD WE TRUSTとのライブ経験を積み、期待株であったにも関わらず2012年の解散は、あまりにも早くそして唐突だった。
翌2013年のリユニオンを機に、動向を気に掛ける人も少なからずいたと思うが、実際は一夜限りの復活だったようだ。


MY VICTORY - "интро"
 


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Sunday, June 2, 2019

Ukrainian hardcore scene - 1 (O.C. - 2)





90's straight edge hardcoreを継承するTOMORROWは、ほぼSTILLのメンツで結成され、2012年にReason Recordsから"fury"でデビューした。同年にスプリット(w/ DONDE TODO TERMINA)を出しているが、南米盤はxEnd Of The Worldx Records、Gold Rain Records、Hasta La Muerte RecordsそしてReason Recordsの共同でのリリースとなった。

各メンバー掛け持ちのバンドを抱えながらも、ローカルショーを始め、Edge Day 2013及び2014などに出演。
そして、前作よりベースのDrewからMightyに替わり、ギターのAlが脱退し4人体制となった彼らは、2015年に"cogito ergo doleo"をリリースした。相変わらずのUNDERTOW、RESURRECTION路線は、リバイバル世代の中でも群を抜いている。

また海外バンドを招集する、主要なイベントとしての規模を誇るMayak fest 2017の出演、V/A "tidal"の参加を経てフルレングスのリリースを控えている。これは以前から噂があるだけに現実化してほしい。


TOMORROW - "03.12.2016"
 





ex ASPIREのTim HindmostとAlex Wise、ex SET ADRIFTのRuss Grossoらで結成されたstraight edge hardcoreバンドSUPPRESSION
前バンドより若干メタリックさを削った感にアーミングの入れどころ等は、当時の90's new school hardcoreに等しく、なかでもBATTERYやSTRIFE辺りからの影響を強く感じる。

音源は2015年のデモ、2016年に"behind the line"がReason Recordsからリリースがあり、数年間活動していたが2018年にSUNDOWNへと改名。
SUPPRESSIONといえば、個人的にはUSのgrindcore/power violenceバンドを連想してしまい、先入観や違和感を覚えた中の一人だと思うが、この改名についてメンバーは理由には触れておらず、編成の変更やサウンドの変化はないとしている。

そして心機一転、同2018年にV/A "tidal"へ参加し、単独音源"don't adopt angst"に至った。それ以降しばらくリリースのないReason Recordsではあるが、現時点でのレーベル最新作となっている。


SUPPRESSION - "live in O.C."
 





Reason Recordsと双璧を成すHypodermic Recordsは、HOMESICKCLEARSIGHTらを抱えOdessa Cityを拠点とするレーベル。サウンドがはっきり分かれる双方だが、Hypodermic Recordsはold school/melodic hardcoreバンドが多く所属しているのが特徴。

ここに在籍するREDEMPTION然り、その90's style punk/skate hardcoreはREASON TO BELIEVEやDAG NASTY、またFat Wreck Chords系のバンドに影響を受けているようだ。
メンバーにはSET ADRIFTやSUNDOWN、FLAMEなどを渡り歩くAlex Oakがいて、2014年にデモと"something from nothing"をリリースしている。

そして、SUPPRESSIONのAlex Wiseが加入し、フルレングス"concrete logic"のプロモデモ"what we have"を2015年に出したが、当該音源は未だにリリースされていないようだ。

シーンに於いての彼らの立ち位置を推測すると、Underground Sadness festival 2018やKharkiv hardcore fest 2019などの規模の大きいフェスに出演、Hardcore Worldwide作成のPVなど、影響力のあるバンドだということがわかる。


REDEMPTION - "broken glass"
 




唯一の音源"self titled"を、Reason Recordsから2014年にリリースしているTIMELINE
何かしらでTim Hindmostが関わっていること、vegan straight edgeであることのほか、活動の詳細から在籍メンバーに至るまで情報がほぼ皆無に近いバンドではあるが、抑えておくべき存在なのは間違いない。
その様はTEMPERANCEやENCOUNTERらのスタイルを継承し、スポークンにハーモニクスを多用した90's emotional hardcoreで、ただの焼増しでは終わらない突出したセンスは、聴く者を彼らの領域に引きずり込む魅力がある。

Reason Recordsの供給では需要が足りなかったのか2年後の2016年、再発すべくRussiaのレーベルCircled Recordsが立ち上げられた。当然というべきか、彼らの"self titled"以降のリリースはないが、個人的には生存していて次作を期待したい。


 
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