2024年10月、前作から6年ぶりとなる5th"embers of an undying flame"をリリースしたExplicit Silence。優に20年を超えるキャリアを持ち、時代に順応しながら進化したbrutal hardcoreは、クオリティの高い本作に仕上がった。Customcore RecordsやBeatdown Hardwear Rec.のバンドが好きであれば、一聴の価値は十分にある。今回、結成時からのメンバーであるギターのBruce Lecocqに話しを聞いた。
Paradise Regaind > まず現在のメンバーを紹介してください。RudyはPrimal Ageの"masked enemy"でドラムを叩いていたけど、もう脱退したみたいだね?
Bruce > 現在のExplicit Silenceは、RudyがドラムでBenがベース/ギター、Aurelienがギター/リードヴォーカル、そして俺(Bruce)がギターの4人編成だよ。これまで5人だったメンバーもコロナ禍でいろんな変化があって、4人で続けることに決めたんだ。
ちょうど"masked enemy"のレコーディング前、 Primal Ageからドラムが辞めることになってRudyが叩いたんだ。正式に加入はしていなかったけど、彼らは30th Anniversary Tourを控えていて、そのツアーとさらに新しいアルバムのレコーディングまでをサポートした感じだよ。*Primal Ageは2024年の夏にレコーディングを終えたが、オリジナルメンバーのDimitriが脱退。リリースを見送っている。
PR > Normandy hardcore sceneの中心はRouenだと思うけど、Caen周辺のバンドやよく対バンするバンドを教えてください。
Bruce > Rouenは常にアクティブで、著しく良いバンドが出てきているよ。今は90年代をルーツとするSanctuaryが気に入っているかな。
正直なところ、Caenにはハードコアシーンは存在しないんだ。でもここからそれほど遠くないRennesについては、言及することを忘れてはいけないと思う。metal/hardcoreのライブが頻繁で、例えばSuperbowl of HardcoreのようなフェスではArkangel、Get The Shot、Death Before Dishonor、Cold Hard Truth、Comeback Kid、Bane、Dying Fetus、Born From PainそしてSpeedなど、最近だとFull Blown Chaosのショーを企画していたね。またSlopeやMindz Eye、Despize、Exit Strategy、Going Off、Dead Heatのようなunderground hardcore sceneのライブもみることができるよ。
PR > 作曲はBruceが担っているの?"face your demons"の頃はCataractやTo Killからの影響を挙げていたけど、現在のExplicit Silenceのスタンスで何か変わったことはある?
Bruce > 俺たちはTo KillやCataractのほか、TerrorやNapalm Death、Slayerなどからの影響を受けていて、それは新しいアルバムでも確信してもらえると思うよ。
本作の大半の曲は既に数年前にできていたんだ。BenとAurelienが加入したとき、彼らの意見を取り入れリフを変えたり編集を行なった。曲作りのプロセスはバンドの課題であって、1人で抱えることではないと思っている。大体は俺が原曲を持ってきて、弟にドラムをプログラミングしてもらう。それからみんなで修正を加えて完全なるものとなるんだ。
PR > Rudyは弟なの?BruceにとってExplicit Silenceが最初のバンド?現在のメンバーで以前やっていたバンドがあれば教えてください。
Bruce > そう、弟Rudyは俺が初めてギターを買った1週間後にはドラムを始めて、以降はずっと一緒にやっている。兄弟の観点から互いにどうプレイすればいいか明確で、このパートにはどうドラムを乗せるべきかが伝わるんだ。曲作りに於いてすごく助けになっているよ。
俺が最初に始めたのはDrunkard(酔っ払い、大酒飲みの意味)というバンドで、Explicit Silenceではないよ。次第にライブが増え、俺たちをフォローしてくれる人も増えたから、もっとまじめな名前に変えることにしたんだ。同時期、RudyはパンクとハードコアをフュージョンしたスタイルのDehanzaというバンドをやっていた。後はEnd It、64 Dollar Question、Red Forest、HeadchargerそしてPrimal Ageとか。BenはA Lost Fear、Awaken The Dreamer、Home Sightだね。
PR > 4th"false supremacy"にPro-PainのGary Meskilがフューチャリングした経緯を教えてください。この曲はUpstate Recordsのコンピにも提供しているよね。
Bruce > 俺たちはこのアルバムで、Gary Meskilの参加を望んでいたから本当にラッキーだったね。当時のギターPierreがwhat defines meでのフューチャリングをオファーしたんだ。彼は承諾してくれてすごく協力的だったよ。アルバムがリリースされると、彼と奥さんまでfacebookに投稿してプロモートしてくれた。それからUSのUpstate Recordsからコンピの話しがきて、たくさんのいいバンドと共に参加することができた。
PR > リリースされた最新作"embers of an undying flame"について、気に入っている曲とか教えてください。
Bruce > どの曲も時間をかけたものだからすべて気に入ってるよ。ただa life to sufferは俺とRudyにとって特別な意味があって、長い闘病で3年前に亡くなった母親に捧げた曲なんだ。
PR > リリックは誰が担っているのですか?また詞の内容について教えてください。
主に俺とRudyが書いているよ。エコロジー、動物への敬意、政治や地政学におけるあらゆる種類の虐待、非リスペクト(人種差別、性差別)への拒絶など、誰もが関わる重要なことを題目に扱っている。
PR > 今までのリリースはすべて自主となっているけど、プロモートや流通は大変じゃないですか?
Bruce > 結成当初からバンドの運営にはある程度の自主性を保ちたいと考えてきたし、それが俺たちに適しているよ。ライブで稼いだお金で新しい音源を出すのが可能になる。マーチャンダイズを買ってくれるのもそうだね。ただプロモーションを管理するレーベルや、ショーやツアーを企画するマネージャーと仕事をする方がずっとシンプルだということは認めなければならない。俺たち以上にライブをやっている若いバンドもいるし、これらのバンドとシーンが生き続けることが肝心だと思う。もっとも重要なのは、俺たちが2004年から継続する喜びを同じように持っているということだよ。
PR > 今後の活動を教えてください。
Bruce > ヨーロッパ以外の国でも多くのショーができればいいと思う。2025年を通してニューアルバムを全力でプロモートしていくよ。ビデオクリップを作ったり、新旧未発表の4、5曲をEPとしてリリースする予定もあるんだ。
PR > いろいろ聞かせてくれてありがとうございました。最後に何かありますか?
Bruce > このインタビューで俺たちのことを知る機会となることに感謝するよ。繰り返しになるけどさっき言ったように、バンドやレビュアー、ウェブジン、ファンジン(インディペンデントかどうかは別として)などをサポートし、ライブに足を運び、可能な限りシーン存続を保つ必要がある。音楽は団結する世界でもあり、分裂する世界でもあるしね。
Explicit Silence - New Reborn
Explicit Silence - Call to Arms
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