1992年、AGAINST ALL HOPE、SLUGFEST、1993年にはxPLAGUED WITH RAGEx、FADEAWAYといったバンドが活動を開始。ここまでold school、classic new schoolがリアルタイムで共存したシーンはそうはない。
xPLAGUED WITH RAGEx - "believe"
ドラムのMike Jeffersが中心となってUNIONを結成したのが1994年。mid 90's metallic hardcoreを象徴するサウンドは、よりメタリックに変化する時代背景に持つ。
さらに彼はDEAD TO THE WORLD、HERODと渡り歩き、それぞれの時代に順応させた音の変化が印象的だ。
1995年はSLUGFEST、後期FADEAWAYに在籍したScott Vogelのもっとも代表的なバンドとして知られるDESPAIR、+/- Recordsと契約したという噂のあったlike GROUNDWORKなLOCKJAW、そしてxPLAGUED WITH RAGExのメンバーからなるxNEVERMORExが、HALFMASTのNick BaranのレーベルThird Party Recordsと契約するなど、最もシーンが活性化した年といえるだろうか。
"the gearwheels of time"をリリースしたPRIMAL AGEのインタビューを取ることができた。
答えてくれたのはオリジナルメンバーであるベースのDimitri。
Paradise Regained>"the light to purify"をリマスターしていますが、リリースの意図は?活動休止していたのですか?
Dimitri>PRIMAL AGEとABSONEの両方で活動していた時期もあったけど、ABSONEで活動することを選んだんだ。だけどドラマーが抜けた際、当初のプロジェクトに立ち返る事にした。PRIMAL AGEは5年もやっていたからね。でも何もリリースせずにそうする事はあり得ないし、新しいアルバムを製作するには余りにも短すぎた。"the light to purify"は有名で、ニューキッズ達もそれを求めていたからリマスターしたと言うわけ。
PR>バンド結成後の活動、当時のあなたたちの周りにはどんなバンドがいたかを教えてください。
Dimitri >"the light to purify"のリリース後、ギターのメンバーが抜けて新たに曲を作るのが難しくなった。生活に変化を求めるメンバーもいるし、今の状況を維持したいと思うメンバーもいる。これはごく自然なことだと思っているよ。結成以来4人のメンバーが去って、オリジナルメンバーはヴォーカルの xDidierx と俺だけになってしまった…。
バンドが発足した97年、ヨーロッパではmetal core、edge metalはまだ初期段階だった。いくつかの国、例えばベルギーでは沢山のバンド、ショー、レーベルがあって、シーンとしては大きかったよ。ARKANGEL、LENGTH OF TIME、CONGRESS、LIARなどすごく良いバンドが活動していたしね。
PR>MORNING AGAINのカバー曲"dictation of beauty"では、SEEKERS OF THE TRUTHのSylvainが参加していますが、特に仲のいいバンドを教えてください。
Dimitri >Sylvainは、xDidierxと俺とABSONEで活動していたし、PRIMAL AGEとSEEKERS OF THE TRUTHはすごく親密な仲で、多くのショーを一緒に行なってきたんだ。
今Sylvainとは、700キロも離れた状態だけど、いい親友でSEEKERS OF THE TRUTHが復帰した3トラックMCDではベースで手伝ったよ。だから、俺らの新作に彼を招き入れるのは素晴らしい事で、とても象徴的な事だといえるね。
MARTYRS、AS WE BLEED、LAZARE、8 CONTROL、ONESTAなんかもいいバンドだよ。
PR>"the gearwheels of tour 2k10"を控えていますが、スケジュールを教えてください。またどんなバンドと一緒にプレイするのですか?
Dimitri >俺らがCANOPUS 178を知っているのはわかっているだろうけど、他にLOYAL TO THE GRAVE、どちらかと言えばメタル系のBLOOD CALLS WE DIE。比較的古いバンドだと、MURPHY'S LAWとスプリットを出したDROOPやAGRESSIVE DOGS、確かTJ MAXXと呼ばれるバンドやGoodlife Recordingsと契約した90'sのSTATE CRAFTも知っているよ。
かつてLAST MAN STANDINGのBen Frazier、SUMTHIN' TO PROVEのMike Ski、Roger Hurlburtが在籍したOUT OF HAND。彼らは1989年から活動していたというからlake effect hardcore sceneにおいて最も古いバンドとして位置づけられる。
1992年、SUMTHIN' TO PROVEが"judgement day 1992"リリース後に解散する一方、シーンにはLAST MAN STANDING、 BREAKIRONといったバンドが残る。
1994年、ex SUMTHIN' TO PROVEのMike SkiとRoger Hurlburtは、STRIKE THREEにいたScott EmhoffとBob Williamsを誘ってBROTHER'S KEEPERを始動させた。
結成間もない7ep"shadowcast"ではMike Skiがボーカルとベースを兼任していて、Surprise Attack RecordsのオーナーEric Michael Schauffeleがまだ加入する以前の作品だということがわかる。EMSの前任には、後にABNEGATIONやDISCIPLEのメンバーとなるNate Blackがベースで在籍していたようだ。
当初この"shadowcast"は、Lake Effect Recordsからリリースされたものだが、後にConfined Recordsから再発となる。そのZERO TOLERANCEをバックボーンにする90's new school hardcoreは、SNAPCASEやBACKLASHとも双璧をなす内容だった。
翌1995年には、Pin Drop Recordsの4 way"together as one..."、そしてConfined Recordsから"ladder"をリリース。このWe Bite America盤は7ep"shadowcast"の2曲が追加収録されている。
そして、1996年にTrustkill Recordsと契約しリリースされた1st"the continuum"は、lake effect hardcore legendとしての不動の地位とする作品になった。 1997年、オリジナルメンバーのRoger Hurlburt脱退の局面に、後任Chris Bazanが加入し"self-fulfilling prophecy"のリリースに至る。
さらにDISEMBODIED、COMING OF THE MESSIAHとのそれぞれスプリットを挟み、2001年にTrustkill Records/KINGfisherから2nd"fantasy killer"をリリースした。エンジニアにBATTERYのBrian McTernanを迎えた今作は、STRETCH ARMSTRONGのChris McLaneが手掛けたリリックの曲にChris自らが参加と、話題性が高かった作品でもある。
続いてDavil's Head RecordsのSLAYERカバー企画の第2弾、7ep"when angels shed their wings"(w/ ONE KING DOWN)に参加やMISFITSのカバーEPってのもリリースする。
いち時代を築きあげた彼らだが、2003年に惜しまれつつ解散してしまった。
MOTHERSHIPは、後にDISCIPLEを結成するMatt Salusky、Dave Quiggle、Brian OborskiにAdam Salaga(FIGHT OF THE DAY、NEVERFALL)というメンツを知れば、気にならないはずもない。
MOTHERSHIP - "narrow path"
xDISCIPLEx - "lantern"
そしてAdam Salagaは、FIGHT OF THE DAYのScott Turk、Andy Berlinらと、1996年に"first demo"と"healed"の2本のデモを出しているNEVERFALLを結成。
SNAPCASE meets STRIFEと称される中後期に比べ、結成当時はもっとearly new school路線をプレイ。
1997年には、Jeff JohnsからJustin Calabreseへボーカルチェンジしていて、Surprise Attack RecordsからリリースされたDISCIPLEとのsplit tape"81forever"は、"healed"を再録、"right through"そしてGoodbellow Recordsのコンピに提供した"bound by silence"が収録されている。
また、Syracuse Hardcore Matineeにも出演したオールスターバンドPRAYER FOR A FALLEN ANGELには、CHOKEHOLD、PATH OF RESISTANCEのメンバーらと共にErieからDave Quiggle、Nate Black、Mike Skiが参加。
一方で、2mc gang styleの純血Erie hardcoreバンドからなるSHOCKWAVEは、結成された1997年にNEVERFALLもリリースしたRitual Recordsからデモをリリースしている。
THE LAST SEASON然り、GODBELOW から派生したバンドとしてBRAND NEW SIN、UNHOLYの存在もある。
BRAND NEW SINは、Kris Wiechmann(Gu)、Chuck Kahl(Ba)、Brian Slider Azzoto(Gu)らから成るトリプルギター編成。
LIFE OF AGONY、CORROSION OF CONFORMITYともツアー経験も持つようにそっち系。
現在は、Krisがボーカルとギターを兼任。
BRAND NEW SIN - "days are numbered "
一方で、THE LAST SEASON を脱退したDanが、ex GODBELOWのJoe Murphy(Dr)、ex ANOTHER VICTIMのJonathan Dennison(Gu)、そしてTHE LAST SEASONのSteve Caiello(Gu)らとUNHOLYを結成。
TESTAMENTなんかをチラつかせるadult rock touchで、最新作はDanの後任ボーカルにBilly Priceを迎えた"new life behind closed eyes"。
現在、Andy MillerとJDはWHEN TIGERS FIGHTにも名を列ね、Billy PriceとJoe Murphyが在籍するWAR OF ATTRITIONは、KarlのKrom Recordsから"…and the void stared back"がリリースされている。
ちょっとさかのぼって2004年から活動していたA CALL FOR ARMS。exなんたらという肩書きをもたない純血な別ラインとして期待されたが3年程で解散。
確かボーカルはメキシコ人だったと思うが。おそらく音源もデモのみ。
近況として特筆すべきは、DJ Rose とPatrick Kitzelがオーナーを務めるReaper Recordsと契約するFORFEITの存在。fastな曲調にmosh partを組み込んだ、THE PROMISE以降のSyracuseサウンド。
Tom Damianoは、Bostonに拠点を置くMELTDOWNのメンバーとBLACKOUT RAGEを始めていて、Seventh Dagger family入り。
彼らが結成されたのは1997年のことで、Jonathan Buskeがギターとして加入するのは、同年"a portrayal of vengeance"をリリースした後のことである。
1999年にはDennison、Buskeそしてex BLOOD RUNS BLACKのCorey KonizがSANTA SANGREを、Tony Tornabene はTom Cavanaugh (ex BLOOD RUNS BLACK)とDARKER DAY TOMORROW(のちにSANTA SANGREのデモで歌っていたMike Lazoreがギターで加入)を立ち上げることによりANOTHER VICTIMとしては2000年、解散を発表している。
翌年、ONE KING DOWNのオリジナルメンバーで、後のIT’S ALIVEのDerrick VanWieをドラムとして迎え入れ再結成されるも1年足らずで解散。
再結成後の音源としては"for the liars & the cheaters"のみが存在するが、これはディスコグラフィーと一緒に5インチで再リリース済み。
オリジナル盤の方は、写真じゃわかりづらいけど妙に手が込んだジャケットで、羽状にカッティングされていたりリリース経緯も謎が多い。limited 15の極少生産。
ANOTHER VICTIM - "martyr"
SANTA SANGRE - "live at Club Q"
ギターのJim Winters、ドラムのDerrick VanWie以外がex ANOTHER VICTIMのメンバーで編成されたstraight edgeバンドTRUE LOVE。
バンド名に関して著作権に引っ掛かったらしく、THE PROMISEに改めた経緯がある。このメンツが集まったのは、ANOTHER VICTIMがTURMOIL、ONE KING DOWNとツアーをまわっていたこともあり、元々お互いよく知れた仲だったようだ。
Jonathan BuskeとJonathan DennisonはSANTA SANGREへと活動を移していたが、JimとDerrickがそれぞれのバンドを脱退を機にTHE PROMISEは動き出した。
音的にはANOTHER VICTIMにmodern old schoolパートを加え疾走する感じだが、Anderson Bradshawの歌い方は変わることもなく、ANOTHER VICTIMを継承したスタイルに変わりはない。
来日を果たした'05年に解散。
THE PROMISE - "crush all fakes/the kiss off"
ex CONTEMPTのJamie CoyleとTravis Hanceらで結成されたHERMON DEKALB。
JamieはANOTHER VICTIMで"demo"、"a portrayal of vengeance"にかけてドラムを叩いていた経歴を持ち、一方のTravisは後にPRISONER、DARKER DAY TOMORROWやTHE FUNERALへと渡り歩き、常に第一線で活動する彼らによって形成されていた。
Temperance Recordsから出した"to repossess the heart"のうち2曲を、V/A "Syracuse hardcore 98.99"に提供したほか、4-way split"HEX seven inch comp."にも参加したことでも知られている。
彼らの音は事前情報がないと、Syracuseのバンドとはまず思わない。言われれば各々培ってきたものを感じはするが、CAVE INのような90年代のHydra Head Records所属バンドに近いchaotic hardcoreの印象が強く残る。
また、Keith AllenとDouglas HandはTHE AUGUST PROPHECYを結成していて、Hellfest 2000にも出演。'99年にOHEV Recordsからリリースの"five endeavors in self murder"は、翌年にAlone RecordsからLP盤でリプレスされた。こちらはHERMON DEKALBをさらに推進したサウンドだったが、どちらも短命で終わってしまったようだ。
そしてVictory Recordsから出した"who dares... wins"は、サウンドはもちろんジャケのインパクトも強烈なものだった。今では言わずと知れたオールスター的バンドの先駆けになっていて、世界各地に飛び火することになる。
DJ Roseが組んだErieのPRAYER FOR A FALLEN ANGELもその一つ。
一時的な活動かと思えたが、本業のEARTH CRISISが2001年に解散したこともあってか、New Years Hardcore 2005でPATH OF RESISTANCEはリユニオンし、翌年に2nd"can't stop the truth"のリリースにまで至っている。
ちなみにドラムはDennisが叩いていて、UNHOLYのJonathan Dennisonがベースを担当。
PATH OF RESISTANCE - "the chain"
ボーカルのDanny Johnson、EARTH CRISISのギターKris Weichmannらが結成したBLOOD RUNS BLACKだが、1995年にHarvest Recordsからリリースされた"cast into eternity within duration of a moment"時には既にKrisは脱退。ボーカルのDan以外はかなり流動的だったようだ。