Tuesday, October 23, 2018

L'ESPRIT DU CLAN





今回、L'ESPRIT DU CLANとスプリット(with CHERISH)を出すにあたり、彼らについて少しでも知ってもらえればという思いで書いてみることにした。
ヨーロッパでの人気は確かなものだが、日本においては彼らの実力と知名度が比例しない。おそらく音源の流通が極端に悪いためだろう。このスプリットを機に、日本でもリスナーやフォロワーが増えてくれればと思う。

L'ESPRIT DU CLANとの出会いは2012年。フランスに行った時、PRIMAL AGEのDidierとDimitriに連れてってもらったL'ESPRIT DU CLANとAS WE BLEEDとの2manショーだった。圧巻のステージングは今でも覚えている。

その時のライブ写真。



このEvreuxで行われたライブで、DidierからL'ESPRIT DU CLANのベースClement HanvicがARKANGELのメンバーだって教えてもらった。(彼はKNOCKOUTZのボーカルでもあり、そこのギターが後のARKANGELのJulien Chanutという編成。現在は2人ともHANGMAN’S CHAIRで活動している。)
個人的にARKANGELとは、2010年の来日でCANOPUSで一緒にツアーをまわったのだが、ベースはMehdiでClemはまだメンバーではなく、特にこの時は特に意識することはなかった。

それから時が経って2015年、ARKANGELが再び来日し、今度はCHERISHでツアーをサポートする機会をもらった。ClemはARKANGELのベースとして来日。
そのツアーの詳細は以前ここにも書いたので省略するが、2017年にL'ESPRIT DU CLANのボーカルArseneがプロモーションを兼ね、日本に遊びに来た。その時、Clemから「幼馴染みのArseneが日本に居るからどっか連れてってやってくれないか?」との連絡をもらった。実際Arseneと会ったのは半日程度だったけど、その後フランスに帰国した彼と連絡を取り合うなかで、スプリットを出さないかとの誘いをもらった。これが今回リリースのいきさつになる。


L'ESPRIT DU CLANはヨーロッパ各地で数々のフェスに出演し、単独音源はすでに7タイトルを数える。
1995年の結成時当初は、PANTERAやMACHINE HEAD、SEPULTURAなんかの影響があったようだが、次第に聴く音楽もMADBALLやMERAUDER等のhardcoreへと転換していったという。それを自分らなりに消化し、BORN FROM PAINや100 DEMONSにメロディーを足したサウンド、dual vocals構成を活かしたボーカリゼーション、そしてリリックがフランス語というのも特徴的といえる。

最初の音源となったのが1999年の1stEP"chapitre 0"。続いて2002年に"chapitre 1"、2005年"chapitre 2 : reverence"、2007年"chapitre III : corpus delicti"、2009年"chapitre IV : l'enfer, c'est le notre"、2011年"chapitre V : drama"とコンスタントにリリースし、現行metalcoreバンドを牽引する不動の地位を確立していった。

 
L'ESPRIT DU CLAN - "fils de personne"


2012年、創設メンバー2人が脱退するというバンド存続の危機を迎える。dual vocalsの1人Shiroがムエタイに専念するためバンコクに渡り、また続くようにベースのClemも脱退してしまった。

残ったメンバーは活動休止を選択し、再起の機会を伺いつつ残ったもう1人のボーカリストArseneは、PARISIAN WALLSを新たに始めた。
これはプロジェクトとはいえ、2014年にUseless Pride Recordsから"the eternal hunter"を出し、また違った方向性を導き出している。アルバム通しては未聴だが、THE ACACIA STRAINやIMPENDING DOOMライクのneck-snapping metalらしい。

 
PARISIAN WALLS - "from the city of light"


一方L'ESPRIT DU CLANは2015年、ベースにTHE PRESTIGEのJulien Bouladouxが加わり、dual vocalsをArseneが1人で担うことで活動を再開させた。

しかし2016年、今度はDEEP IN HATEのドラムでもあるNicolas Bastosまでが脱退。彼はメンバーにクレジットはされていないが、APOCALYPSE NOWの"confrontation with god"のレコーディングで叩いていた人物でもある。
復帰作"chapitre VI"は、後任ドラマーにPURE WRATHのVincent Walloisを迎えてのリリースとなった。
そして続く新作となるのがスプリットということになる。


 L' ESPRIT DU CLAN - "bomaye"

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